喪うかもしれない ページ40
ビルの中には多くの呪霊が潜んでいた。
それは直視することさえためらってしまうほどの姿をしていたり、注視しなければ気付かないような、何かに上手く擬態したものだったりと様々だ。
そのどれもが、私が手を出さなければじっと息を潜めてこちらの様子をうかがっている。
──前に襲ってきた呪霊……。あれはどうして、私に触れたんだろう
制服の上からお守りに触れる。
中に入っている屍蝋は、私を守ってくれる。けれど、それと同時に良くないものまで引き寄せるとおばあちゃんは言っていた。
お守りも封印も、随分と古い。
そのせいで「守り」の部分が弱くなっているのか、それとも私が見えるようになって力を持ちつつあるからなのか。
それは分からない。
『ク、キキッ……。クキキキッ…………』
何人もの人間の声を混ぜたような、不安になる音を辺りに響かせながら、その呪霊は現れる。
両手が鋭い刃物のように変形したそれは、まだ武器を扱い慣れていない私じゃ容易に祓うことは出来ないだろう。
虎杖くんに助けを求めた方がいいんじゃ……と、思いながらも、私の手はしっかりとナイフを握りしめている。
大きな袖のおかげで呪霊にも、虎杖くんにも、見えていないはずだ。
それなのに、嫌な緊張が走るのはどうしてなのか。
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ゆず(プロフ) - 初めまして宿儺様沼にハマり、作者様の作品に辿り着きました。とても面白いですし、宿儺様との展開が楽しみです！更新大変でしょうが応援しております！！ (2021年4月26日 18時) (
レス) id: 9087c45e44 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね！ 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう！ *´▽`* (2021年4月18日 14時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく。 | 作成日時：2021年3月26日 8時
