それは時に、思わぬ力をもたらす ページ23
「げほっ!」
受け身なんて取れるはずもなく、私の身体は宙を舞って何か硬いものにぶつかった。
肺の中の空気全てが吐き出されるような感覚に、激しく咳き込む。
何が起こったのか、まるで理解できない。
ただ、目の前にいるものが──私が見てきたものよりもずっと凶悪であることはなんとなく理解出来る。
──死ぬの……?
恐怖に身体が動かなくなる。
嫌だ、死にたくない
死にたくなんかない
痛いのも嫌だ
死にたくない──
そう強く願った瞬間、大きな音が辺りに響いた。
ぼやけた視界に見えるのは、轟々と吹き荒れる雪の中に浮かぶ、真っ白い影。
雪の中を彷徨う怪物のようにも見えるそれは身動きすることも出来ずに、突然崩れ落ちる。
雪が崩れ落ちた音と同時に、私の意識も遠のいていった。
──私、お役に立てましたか?
暗闇の中で、声が聞こえる。
不安そうにこちらを覗き込むような気配に、私は何も答えられない。
身体が異常なくらい重くて、指一本動かすことすら出来なかった。
雪降る世界と白い亡霊──sideY.I〜R→←メメントモリ2
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ゆず(プロフ) - 初めまして宿儺様沼にハマり、作者様の作品に辿り着きました。とても面白いですし、宿儺様との展開が楽しみです!更新大変でしょうが応援しております!! (2021年4月26日 18時) (レス) id: 9087c45e44 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月18日 14時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さっく。 | 作成日時:2021年3月26日 8時