Lost 38 ページ9
夕暮れ時には、俺の身体も
だいぶ軽くなってきた。
治りが早くて良かったわ、ほんま。
━━━コンコン。
A｢誠也ー？起きてるー？｣
末澤｢寝てるー｣
A｢………入るからね｣
部屋の扉をノックした後、
Aは静かに入ってきた。
A｢はい、ノート｣
末澤｢やっぱ持ってきてくれるんやん｣
A｢………持って帰るよ｣
末澤｢待って待って待って！
ほんまありがとうございます！｣
Aから半ば強引にノートを奪い
俺は深々とお辞儀をした後に体を上げた。
A｢あ、そういえばね｣
末澤｢ん？｣
A｢今日、正門くんに変なこと聞かれた。
………消したいくらい、嫌いな人いる？って｣
正門が何でそんな事聞くんや？
Aの事、疑っとるんか？
末澤｢お前は何て答えたん？｣
A｢いる訳ない、って｣
末澤｢そっか｣
A｢急に聞かれてビックリしちゃった｣
Aは今の状況を知らないから、
戸惑って当然だろう。
疑ってる、というのではなく
正門なりのやり方で何とかして
手掛かりを掴みたいんだろうか。
A｢あとね、もう1つ言ってた｣
末澤｢何や？｣
A｢好きだから消したい、
って思うこともあるのかな？って｣
━━━好きだから、消したい？
A｢ストーカーの動機なんかで
良くあったりするよね〜、って｣
末澤｢あぁ、なるほどな｣
A｢どっちにしても私はないけどね？｣
末澤｢あったら困るわ｣
正門の言う事も一理あるか。
きっとこの世の中には
そう願う奴も少なからず居て。
それで時折、余りに身勝手で
凄惨な事件が起こる訳だから。
A｢誠也も絶対ないよね｣
末澤｢何が｣
A｢独占欲｣
末澤｢ないない、有り得んわ｣
A｢正門くんも独占欲なさそう｣
末澤｢あー、アイツにそんなんあったら
たぶん地球が消えてなくなるな｣
A｢だよね｣
Aはどことなくホッとしたような
安堵の笑みを微かに浮かべた。
A｢……もう11月になっちゃったね｣
末澤｢1年過ぎるの早いよなぁ｣
A｢正門くんの誕生日会、しようね｣
末澤｢あぁ……アイツ11月生まれやもんな｣
A｢色々思い出作っておきたいね｣
俺はいつまで、思い出を
残すことが出来るのだろう。
そう考えると不意に寂しさが込み上げ、
涙が流れそうになるのを必死に堪えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 256人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい(プロフ) - もう更新はしないんですか？？？ (2021年3月17日 1時) (
レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話ほんとに面白いです(*≧∀≦*)ハラハラしながら読んでます。無理しないで頑張ってください！更新待ってます！ (2020年3月5日 8時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 更新待ってます！ (2020年2月21日 22時) (レス) id: 6f297082fe (このIDを非表示/違反報告)
なにふぁむみ☆ - あ、元みぃ☆です (2019年12月25日 22時) (レス) id: bd60e02c69 (このIDを非表示/違反報告)
なにふぁむみ☆ - 大変ですね…。ずっと待ってるので、頑張ってください！ (2019年12月25日 22時) (レス) id: bd60e02c69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sakura | 作成日時：2019年10月24日 22時
