糸師凛の幼馴染は無防備過ぎる。2

50話 ページ1

凛「とにかく上に蹴ろ。浮かせろ。ボールの下側を蹴んだよ。」


「？？」


凛「良いから。」


少女は彼に何らかの意図があると汲み取り、言われた通りにしてみせた。


少女の蹴るボールは1mくらい上に上がり、少しだけ前に進んだ。


そのタイミングに合わせ、彼は彼でボールを放った。


すると少女の浮かしたボールと彼の蹴ったボールが勢いよくぶつかり、少女のボールが見事ゴールに入ったのだ。


放「な、な、な、、、す、すごい！！！」


生「あれアリなのかよ？！」


生「糸師くんカッコイイ〜！！」


生「レベチじゃん、、」


放「これぞカップルでの助け合い！！！よってアリ！！まさかの1番先にこのステージをクリアしたのは糸師・日暮カップル！！」


「カップル」という響きに彼は内心ドキドキしていたが、顔は無表情のまま、少女に声をかけた。


凛「恋幸。行くぞ。」


「うん。凛くんすごいね」


凛「あ？当然だろ。」


「私走るの遅い。」


凛「んなの知ってる。お前は何がいんだよ。」


彼は少し期待していた。


少女の望むことなら悪態はつきながらも叶えるつもりであるし、少女からお姫様抱っこを望まれるなら内心喜んで受けるつもりであった。


しかし、少女の方が一枚上手だった。

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