特級呪術師が解呪するまで。【呪術廻戦0】

▽ ページ18

それから一体どのくらいたったんだろう。



時間がどれだけ立ったか分からないが、だいぶ時間は経過している方だと思う。





私の体力はだんだんとすり減らされていった。一級上等レベルとはいっても、多少頭はキレる。
しばしば特級よりは少し弱めのものまで出してくるのだから、夏油がよほど私の体力をはやめに消耗させてくるのが本気で伝わる。







しかしそんなときだった。





＿＿＿乙骨くんが里香ちゃんを呼んだ声が聞こえたのは。






一気に現実に引き寄せられた。そうだ、こんなところで皆くたばってたまるか。



しかしそんな気持ちとは裏腹にどっしりと重くなる身体。








『っ…！こんなにはやく…？』





思ってたより早かった。夏油のことは乙骨くんたちに任せるしかない…、

私はせめて自分の暴走を止めなければ…、そのためにはもう攻撃をストップしなければならない。でもストップする間にも呪霊は増え続けてしまう…。




こういう時、五条先生ならどうしてたかな。重い体に鞭打って攻撃をしかける。
腕を振るうことに必死で後ろから来ていた呪霊に気づくのが遅かった。




まずい…！そう頭ではわかっているものの、自分はなにもできない。思わずぎゅっと目をつぶり痛みを待っていると…。





「…“動くな”」





目の前にいる呪霊も、後ろにいる呪霊もピタリと止まった。


そして、目にもとまらぬ速さで呪霊をなぎ倒していく。






「…チッ、目を覚ますのが遅すぎたな…、」



「しゃけ」






『真希、棘…くん…、』





「うぉッ、なんだ呪霊一生出てくるじゃん。アイツの仕業？」




『…パンダくんまで……、』




「そりゃぁ、“特級”も疲れるわけだ。
ま、私達の“特級”はオマエら如きで死なねぇけどな！」





「しゃけ！」




そういって次々となぎ倒されていく呪霊。私も攻撃を出そうとするが、パンダくんにストップをかけられる。



「…Aは夏油のとこにいけ。ここは俺らに任せとけ」





『パンダくん…。…そうだね、そうさせてもらおうかな。
…行ってくる』







私は三人に任せながらも、先ほどよりずっと重くなっている身体を動かして乙骨君の元へと向かった。

解呪→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す