礼節4 ページ42
がばっ
また…
白い部屋で目を覚まし、Aは勢いよく上半身を起こした。初めてここにきたことを思い出す。
「A。」
五条さん…。
Aは安心感から、ぽろぽろと涙をこぼした。五条は、涙を流すAを見て口を固く結び、Aを抱き寄せた。
「怖かったね。無事でよかった。ほんっとうに。」
優しい言葉をかけられ、Aの涙に拍車がかかった。自分がどんな顔をしているのか、そんなこと考える間もなかった。
怖かった…！死ぬかと思った…もう、会えないかと…。
声は出ずとも、わんわんと泣くAを、五条は力強く抱きしめながら泣き止むまで頭を撫でていた。
ようやく泣き終えた後、五条がAの無事を電話で各人に報告していた。
無傷の新田は、何も力添えできなかったことを謝罪しにきた。Aはただ無事でよかったと思えた。
「君が守ったんだよ。」
五条にそう言われ、新田に感謝を告げられ、誇らしいような、すこし気恥ずかしいような感覚にAは笑っていた。
傷を負ったことを知り，心配していた虎杖たち一年生、二年生も揃って顔を出した。泣いた後の顔を見て、みな胸を痛めた。七海同行とはいえ、今回の任務がAに不相応だったこと、これが何かの陰謀ではないかということは全員が承知していた。
最後には七海が菓子折りを持って、Aのもとを訪れた。
「不甲斐ない。大人として、君を守ることができませんでした。」
深々と頭を下げる七海を五条は見ていた。
七海さんは何も悪くない！
大の大人が自分に頭を下げる状況があまりにも居心地悪く、手を振って、七海には非は無いことを表した。実際、危険にさらされたのは自分の弱さのせいだと分かっていた。違和感に気づかなかったこと、索敵が疎かであったこと、単なる実力不足をAは反省していた。
「七海は悪くないよ。僕的に腹は立つけどね。」
悔恨の念で、七海の表情が曇る。拳を握りしめ黙って五条の次の言葉を待った。
「毎度毎度同じ手口で嫌になるね。ほんと芸がないっていうかさ。もう僕任務から降りようかな。それとも今度こそ上のやつら全員やってしまおうか。」
何のこと…？
淡々と話す五条にAは首を傾げた。ただただ物騒なことを話しているのは分かった。自分が何かに巻き込まれていることも。
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ゆうき(プロフ) - 時さん» すごく嬉しいです。ありがとうございます。時さんも更新頑張ってください。いつでもコメント欄いらっしゃってくださいね。 (2021年8月6日 11時) (
レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
時(プロフ) - コメント失礼します！最初で一気に惹かれました！続きを楽しみにしています！無理せず更新頑張ってくださいね！ (2021年8月6日 11時) (レス) id: 65803b71a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ラリマさん» コメントありがとうございます。凄く嬉しいです。優しいお言葉感謝します。ラリマさんも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。作品の方にもお邪魔させていただきます(p_-) (2021年8月6日 0時) (レス) id: 67d009fa41 (このIDを非表示/違反報告)
ラリマ(プロフ) - コメント失礼します! 続きがすごく楽しみです！これからも体調に気をつけて更新頑張ってください！！！ (2021年8月6日 0時) (レス) id: 3c461fe813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうき | 作成日時：2021年8月3日 22時
