私たちの呪術廻戦【五条悟】

覚醒 ページ25

「…すっげぇ…。今のなんだ？」

「消えた…！？」



先ほどまでいた化け物は一瞬でその姿を消し、瞬きの間に一片のカケラも遺さず空に消えた。


私はもちろん、みんなも突然の事態に驚いた様子だ。

ただ五条さんを除いて。



「もちろん、説明してくれるんすよね。」



驚いた様子から打って変わり、伏黒さんは落ち着きを取り戻し一歩五条さんの方へ歩み寄る。

その真剣な表情は怒りとも受け取れる。


「いやぁ、ごめんごめん！
でも、これではっきりしたねAちゃん。」



恐ろしさからの解放で、涙が一筋ツーッと私の頬を伝う。

先ほどまで燃え盛るようだった体は元の状態となり、激しい鼓動も徐々に平静とし始めている。


私の肩を強く掴んでいたその力は解かれ、勢いで膝から崩れ落ちそうになった身体を、五条さんのもう片方の手が抱き寄せた。



「今のを見ていたら分かる通り、彼女の術式は呪いを崩壊させる。」

「呪いを…。」



体の脱力感で思うように体を起こせず、私は五条さんに身を委ねた。

皆んなが神妙な面持ちで話を聞いてる中、私はハッキリしない脳でその内容を反芻した。



呪い…。崩壊…？



「言葉の通り、呪いを根底から払拭させる。
この工場に入ってから全然呪霊が現れないのもそういうこと。下級クラスならこの子が無意識のうちに全部払っちゃうってわけ。」

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