寛解1 ページ38
あれからAは穏やかな日々を過ごした。
家族として親密な関係を築いた双子と、そして…
「Aっ、どうだい？甘いものは好きだったろう。」
にこやかな教祖。
テーブルの上にテレビで紹介されている話題のスイーツを広げ、それには一口も手をつけず、ただおずおずと甘味を嗜むAを夏油は見つめる。
『あの、私だけこんなに良いんですか？』
「あの2人は今仕事中だからね。君も室内にこもっていたら息が詰まるだろう。少しでも楽しみができればと思ったんだが、気に入らなかったかな。」
夏油は眉をひそめた。
その表情に、つい同情したAは慌てて首を横に振った。
夏油さんがくたくたに疲れて帰ってきたあの日…、抱きしめられてから恥ずかしくてあんまり顔を見ずにいたけど…。
Aは、スイーツは落としていた視線をゆっくり目の前にいる夏油にうつした。
な、なんなんだ…。
目を細め、薄い唇の口角を上げ、頬杖をつく夏油。
最初の訓練でボコボコにされた時とはえらい違いだ…。
「どうかしたかい。」
『や…、五条さんもおんなじ事してたなぁって思い出して…。』
すると、それまでにこやかに弧を描いていた夏油の目は丸く、驚いたような顔をした。
「あいつが…、君にスイーツを…？」
『はい。』
「ぶはっ、ははははっ！」
突然吹き出す夏油に、Aは何が何だかわからず、スイーツを持つ手を止めた。
この人の中の五条さんってどんな人なのよ。
あの人はそんなにも慣れないことを私に施してくれてたのだろうか。
『何がそんなに面白いんですか。』
「ふふっ、私とあいつは君が今通ってる高専の同級生だったんだよ。その時のあいつといえば、そんな好きなものを他人と半分こするようなやつではなかったよ。」
夏油はようやく一息つくと、また頬杖をついてAを興味深そうに見つめる。
切れ長でどこか憂を帯びたような瞳がAをじっと捉えた。
「君っていい意味で普通だよね。」
な、なにそれ？
褒められているのか貶されているのか。
夏油の言葉の意図を汲めないまま、Aは小さく礼を言った。
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ゆうき(プロフ) - びびでばびでぶー (3月8日 22時) (
レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - ここまでスクロールしてくれたあなたはこの小説のファンということでよろしいでしょうか (3月7日 21時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - はちゃめちゃにイチャイチャしてるの書きたい、ストーリー展開させていくのきちゅい (3月7日 21時) (レス) @page37 id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメントほちぃ… (3月3日 23時) (レス) id: de69babae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうき | 作成日時：2023年12月15日 18時
