「…恋の始め方」 (ページ47)

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☆ ページ47

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　「今のは…」
樹「俺最初にいったべ？寂しさ埋めるって。けどそれはAが元彼と俺重ねてても隣にいたかったから」

樹「純粋に俺だけを見てほしい」

車を発進させる樹

樹「って、今日告白しようと思ってめっちゃいいレストラン予約したのにA来れないんだもん。。じゅったん泣いちゃう」
　「え、きも。今の感動返して」
樹「そのかわり今日は一緒にいて」

着いた先は樹の家だった

　「ん？わたしの家じゃないの？」
樹「今日は俺んち」

運転席から降りると助手席のドアを開けてエスコートしてくれる

数回ほど樹の家にはきたことがあるけれどほとんどが私の家だった

なんか、変に緊張する

　「お邪魔します…」

樹の家はいつきてもピカピカに綺麗だ

樹「テキトーに座って」
　「はい…」

部屋に入ると樹の匂いで包まれる
はい。と渡される水

樹「A顔真っ赤」
　「そんなに赤いかな？」
樹「度数強いお酒一気に飲んだらそりゃ赤くなるよ」

素直に水を受け取り一口飲む

樹「お風呂入ってくれば？冷えたっしょ？」
　「うん、そうする」
樹「一緒に入る？笑」
　「入りません。お泊まりセット出しておいて！」
樹「…はいはーい。」

シャワーに打たれながら車の中の樹の顔を思い出す

切なそうに優しく笑う樹の顔を

今まで樹の優しさにただひたすら甘え続けていた
樹が寂しさを埋めてくれていた
樹がいてくれたから北斗に対してけじめをつけられた

お風呂から上がると律儀にパジャマの間に下着が隠れるように置かれている

　「お風呂ありがとう」
樹「おう。」
　「樹入らないの？」
樹「Aにバックれられたから帰ってきてすぐ風呂入りましたー」

むすっとした顔でこちらを見る

　「本日は誠に申し訳ありませんでした」
樹「Aからチューしてくれたら許してあげる」

腕を広げながら目を瞑って待つ樹
この人アホだ

そう思いながらも樹に飛びついてキスをする
しっかり抱き止めてくれながら樹は驚いた顔でこちらを見る

樹「マジでしてくれると思わなかった笑」
　「許してくれた？」
樹「うん！ヨユーで許す！」
　「じゃあ離して」
樹「むり、離せない。もうこのまま寝る」
　「それは無理。タバコ吸いたい」

素直に下ろしてくれる樹

二人で隣に並んでベランダでタバコを吸う

樹「俺、Aの事大事にするよ」
　「今までもしてもらったよ」
樹「これからも」

切なさが消えて目尻に皺を寄せながら笑う樹がいた