「…恋の始め方」 (ページ26)

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☆ ページ26

食べたカツカレーは今までの中で群を抜いて美味しい

　「田中さん！めっちゃ美味しいです！」
樹「ほんと？！よかった喜んでもらえて笑」
　「人生で一番美味しいです！」
樹「めっちゃテンション高くなったね笑
そんなAちゃんもかわいい！」
　「何も出ませんよ…」

美味しすぎてがっついて食べてしまう

樹「Aちゃん、ついてる」

顔を上げると田中さんの手が伸びて私の唇に触れた

口についたカレーを指で拭うとそのままペロッと舐める

樹「意外とおっちょこちょい？笑」

かぁっと顔が熱くなる

樹「そんな真っ赤にならなくたっていいじゃん笑続き食べな？ほら、餃子ひとつあげるから」
　「あ、ありがとうございます」

田中さんは涼しい顔をして餃子を渡してくれる

あっ、餃子も美味しい

私はなんて現金な女なんだ

樹「Aちゃんよく食べるね！よく食べる子も俺好きよ」
　「スラスラとそんなこと言わないでください」
樹「なんでよ！この間椿に言ってたじゃん！
こういう事されると顔がいいから意識する〜って」

聞いてたんか…

　「あの日の記憶を消してもらうにはどうしたらいいですかね」
樹「んー無理だね！可愛かったから死ぬまで忘れない！」

キラキラの笑顔で拒否され、餃子を食べ続ける田中さん

　「田中さん人たらしって言われませんか？」
樹「そう思ってもらえたら光栄です笑」

樹「あと、いつまで“田中さん”呼びなわけ？」
　「え、田中さんで合ってましたよね？」
樹「そういうことじゃなくてさ笑 “樹”って呼んで？いまだに敬語だし…それが送ったお礼ってことにしてあげるから」
　「樹？」

きゃーなんて言って顔を覆う田中さん改め樹
昨日も同じ反応高地くんで見たような

樹「それ無意識でやってんならあざとすぎない？」
　「それってどれですか。私あざといからかけ離れてると思いますけど…」