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……案の定「壊さない努力をしてからそういうことは言え」と怒られつつ再び戻ってきた会議室。
先程同様に扉を開ければやはり眩しい。過去と現在の入り混じった夜の街が奥へ奥へと広がっている。一直線に真っ直ぐに、北海道の道路とタメはれる。そんな中ぼんやりと見えた。
道なりに進んだ先にぼんやりと立つ人影。
からころと独特の音色を響かせる靴音に、ああヒールじゃないってことは高下駄で来るかと納得する。この調子だとどちらかだとは思ったよ、花魁かキャバNo.1か。どうやら花魁だったようで。
道のど真ん中に堂々と立ち尽くしていると、正面に見える人影がぴたりと止まりそれと同時に高下駄の音も静かになった。
と思えば周辺の明かりが消えていく。提灯を筆頭にネオン看板も、見せかけのコンビニの電灯も、領域内に作り出された月夜もすべてが、消える。うわ暗いな。歌舞伎町のこんな夜見てみてえ。
そんな呑気なことを考えていると、ずり、と何かを引きずる音と正面に気配。ひょいと後ろに避ける。
目の前に現れたのは着物の裾のような襞を持った呪霊である。
下半身だけがちゃんと女性のもので、上半分はしっかり呪霊だ。あと髪も生えてる。どうやらこの呪霊に性別を付けるとすれば女らしい。まあこんな場所を作り出してる時点でそういう類の呪霊なことはわかってたけどさ。素っ裸ですらりと綺麗な女性の下半身に謎の襞が付いているだけでも残念でたまらないのに目線を上に向けてしまえばそのアンバランスさに誰もががっかりどころか悲鳴を上げて逃げていくだろう。
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ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます!ちょっと(というかだいぶ)ネジの吹っ飛んだ夢ちゃんのドタバタが見たくて自給自足……そう言っていただけるととても嬉しいです……!!ありがとうございます! (6月1日 21時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - 夢主さんのキャラが好み過ぎて面白いです・・・! (6月1日 1時) (レス) @page5 id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことこと | 作成日時:2023年5月31日 23時