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その街並みはまるで歌舞伎町のように煌びやかでありながら、建物は京都にあるような日本家屋が並び、途中途中で古ビルやコンビニみたいなものもあって。ネオンで輝いたかと思えば提灯で照らされる光もある。そして極めつけは領域内に漂う呪霊とは違う、女の香水の香り。ああこれは、
「遊郭?」
とりあえず道なりに歩いてみる。領域は領域でも生得領域だから相手呪霊の術式は必中ではない。だからワタシに対する攻撃に関しては何かしら見える形で来るだろう。まだそこまでの警戒は必要ない。だが問題は、この生得領域内に取り込まれたであろうアダムの生死。これが非常に危うくなってきた。……死んでたら、どうしようかな。
「a?」
ふと、そんなことを考えて上を向いていたら正面から聞き覚えのある声。なんだ。
「普通に生きてた」
「You're the girl I met yesterday.(昨日会った少女……)」
「ハ? 何言ってんのかわかんないけど、さっさとここ出るよオニーサン」
「Japanese? ……I don't know Japanese.(日本語か?俺は日本語が喋れないんだがな)」
「あーはん? I don't know English!」
「oh…… !This?」
正面から呑気に歩いてやって来たアダムとの再会だがお互いにお互いの言語が分からないためどうしようかと思っていたところ、アダムがふと携帯を掲げた。成程、翻訳機能を使えば一発じゃないか。考えたものである。
"ここから出るよ、皆心配してる"
"何故? ここは着物の女の子と遊べるんだぞ"
"それ全部幻覚だよ"
「a?」
アダムが携帯から顔を上げてワタシを見たのでニッコリ笑う。そう幻覚なのだ。
アダムの目には今、大勢の人の姿が見えているのだという。ワタシには見えないものだ。恐らくこの空間を作り出した根源の術式か何かの作用だろう、もしかするとこの香水のような匂いが着々と彼の脳みそをいじってるのかも……兎に角今アダムがいるここはワタシにとっては比較的マイルドでも、非術師にとっては毒だ、今すぐ去った方が良い。けどアダムは離れようとしなかった。
事前に聞いていた。どうしてアダムは外に出たがったのかと。
どうやら日本へはバイトの感覚で来ており一ゴール毎に一万ドル、その金で着物ガールとちょめちょめするのが目的だったそうで。けどエゴさんはそれを跳ね除けた。せめて全チームとのマッチが終わるまではここを出させないぞと。そんなとき、アダムは起こされたのだという。紛れもない、エゴさんに。
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ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます！ちょっと(というかだいぶ)ネジの吹っ飛んだ夢ちゃんのドタバタが見たくて自給自足……そう言っていただけるととても嬉しいです……!!ありがとうございます！ (6月1日 21時) (
レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - 夢主さんのキャラが好み過ぎて面白いです・・・！ (6月1日 1時) (レス) @page5 id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことこと | 作成日時：2023年5月31日 23時
