015 ページ15
「俺ちゃんと聞いてなかったんだけどさ」
「聞けよ」
「何でAちゃんみたいな呪術師をうちブルーロックに派遣することになったの? だって大した被害も現象も今のところないじゃん」
一次選考がスタートして5日、プロジェクトの始動から約1週間だが今のところ最初にアンリちゃんと遭遇した謎領域以外に目立った現象は起きていない。だからこそこちらの話に関しては素人なエゴさんの疑問は当然だった。けどこちらからすると事前に起きないようにしてやってんだよバーカという気持ちである。
「視えてないだけ。実はちまちま削ってんだよこれでも!」
「いつそんなことしてんだ」
「備品運んだり掃除中だったり。ちっちゃい奴はデコピンで祓えるから合間合間にやってんの」
これでもシゴデキ呪術師Aちゃんは毎日毎日、肥大化しそうな蝿頭を事前にぷっちんして事件にならないようにしているのだ。だから当然、視えない彼らに分かるようなことなど起きるはずもないのである。感謝したまえよとふんぞり返っているとじゃあ逆に、と褒めるでも貶すでもなく話を方向転換させやがったエゴさんの言葉を仕方なく聞いてやる。
「Aちゃんがお祓いしてなかったら何かしらが起きてた?」
「そりゃ起きてんじゃない? 一般よりもそういう類のが多いって言われてる病院とか学校とかより、5倍は数多いし」
「何で?」
「想いの強さ? ほら、初日からかっ飛ばしたじゃん、脱落したらもう代表入りはないで〜すべろべろべーっつってさ。あれで呪いの根源である負の感情大爆発よね」
「クソが。エゴを見い出せなかった方が悪いってのに」
「って割り切れんのはエゴさんみたくイカれてる奴だけだって〜」
「誰がイカれてるだ、イカれ呪術師」
「イカれパンピーのがタチ悪いっしょ」
こんな風に仲睦まじく話をしている間にも選考は進む。現在は5の棟のチームYとチームZとが試合中だ。エゴさんの見ているモニターをワタシも眺めているのだが、見れば見るほど特徴的なモヒカンの男の子の動きが気になってしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます！ちょっと(というかだいぶ)ネジの吹っ飛んだ夢ちゃんのドタバタが見たくて自給自足……そう言っていただけるととても嬉しいです……!!ありがとうございます！ (6月1日 21時) (
レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - 夢主さんのキャラが好み過ぎて面白いです・・・！ (6月1日 1時) (レス) @page5 id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ことこと | 作成日時：2023年5月31日 23時
