Request：寮長達とのお泊まり ページ44
Malleus side
｢ツノ太郎〜！｣
｢む、人の子か。それにAも……一体どうした？｣
昼時、リリアと共に教室を移動していたところをAとユウに呼び止められた。
僕の愛しい眠り姫、そして雪の女性の名に相応しい力量を持つAと、僕のことを知っても何も変わらずに接してくれるユウ。
無意識に口角が上がってしまうのは仕方が無いことだ……なのだから、そんなにもニヤニヤと厭らしい笑い方をするな、リリア。
｢あのね、ツノ太郎に招待状を持ってきたんだよ｣
｢招待状、だと？｣
｢ええ。ユウさんとリドルさん、カリムさんの御三方がお泊まり会をしようと話していたらしいのですが……どうせならば、各寮の寮長を誘って大規模なものにしようとなったらしく｣
｢そうなんだよね。それで、ナイトレイブンカレッジの生徒って皆がキャラ濃いでしょ？ 何かあった時に僕だけじゃ止められないからAちゃんも誘ったんだ！｣
｢私は皆様のストッパー役ではないのですけれどねぇ。まぁ、そういうわけで貴方をお誘いしに来たのです｣
僕に招待状が来るなんて思いも寄らなかった。
皆が僕を恐れ、全校集会でも入学式でも呼んでもらえたことなどないというのに、この二人はこうも簡単に誘ってくれるのだな。
ゆるゆると顔が緩んでいくのを止められないことを悟り、僕は自分の口元を右手で覆い隠しながら参加する旨を伝えた。
｢いきたい……僕も、人の子とAと共にお泊まり会とやらを楽しみたい｣
｢やった、ありがとう！ これで全員参加だね！｣
｢そのようですね。ではマレウスさん、日程や持ち物については招待状内に記してありますのでご確認下さいませ｣
｢分かった｣
これから一年A組とB組は合同で体力育成の授業らしく、二人は早々に更衣室のある方向へと駆けて行った。
心臓の辺りが春の陽気の様にぽかぽかと温かくなり、僕の左手に握られている招待状はどんな高価な宝石よりも価値があるように見えてくる。
初めての招待状に、初めての友人との宿泊、これはAとユウから誘われたからこそ楽しみと思えるものだった。
｢良かったのう、マレウスよ｣
｢ああ……これまでで一番嬉しいかもしれないな｣
｢しかし狡いぞ。わしもAとお泊まりしたかった｣
｢残念だったな、次回こそ誘われるように祈っておけば良い｣
リリアからの小言や突き刺さるような嫉妬も、今の僕には痛くも痒くもないことだが、一つ言うならば、キングスカラーも一緒だというのが不安要素だった。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
