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そして再び扉がノックされ、次に姿を現したのはケイトであった。
ケイトのことを陽キャ認識しており、あまり得意ではないイデアは悲鳴を漏らしながらアズールの背中に隠れたが、彼の様子が普段と全く異なることに気が付く。
恐る恐る覗いてみれば、何時もの柔らかい笑みも明るい雰囲気も消し去って、じっとAのことを見つめているケイトがいた。
｢ジャミルさんは後ろに回って頂けますか。ケイトさんと交代ですよ｣
｢……わかった｣
少しだけ嫌そうな声色で答えながらも、素直に膝の上から退いてバックハグの体勢をとってくれたジャミルに感謝しつつ、Aはケイトに向けて両手を広げた。
そして、ジャミルの時よりも勢いよくケイトが腰に抱きついてきたのである。
僅かに彼の髪型が崩れていたり、目の下にクマが住み着いていることから、キャパオーバーを起こしたのだと簡単に理解出来た。
｢笑顔の鉄仮面も考えものですねぇ、ケイトさん｣
｢ん｣
｢もう少し気を抜いても良いと思いますよ｣
｢Aちゃんに言われたくないよ……オレ｣
｢はいはい｣
ケイトが笑顔の鉄仮面ならば、Aは無表情という鉄壁の仮面をはめているのと変わりない。
皆がそう思っているとは露知らず、彼女はサンドウィッチしてくる二人をひたすら慰めていた。
彼らが満足して礼を言い、退室していくまで凡そ十分間、Aは彼らに言われるがまま撫で続けていたのである。
漸く拘束から開放された為、ぐーっと伸びをして体の凝りを解していれば、何故だかアズールがこちらに寄ってきた。
照れ臭そうに顔を背け、頬を薄桃色に染めながら両手を広げられたことに対し、Aはきょとんと首を傾げる。
｢……僕達はAさんに助けて貰えます。けれど、貴女は誰にも助けを求めない。だったら僕達が勝手に甘やかすしかないでしょう？ ほら、来なさい｣
理屈はよく分からないが、取り敢えずアズールの優しさからくる行動だと理解したAはその言葉に甘え、ある程度の勢いで飛びついた。
首に腕を回し、胸に頬を擦り寄せてみれば、意外にもがっちりとしている腕が腰と背中に回される。
その後、オルトの粋な計らいによって、二人が抱き合っている写真がアズールの待ち受けに設定されていた。
＊
リリア最推し様リクエスト、抱きついてよしよしした御話。
抱え込みやすいイデア先輩と、苦労人お二人に頼られる彼女を見て、アズール先輩が勇気を振り絞って行動しました。
双子が嫉妬しそうなお話になりました。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
