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｢Aちゃーん♡｣
｢うっ｣
｢会いたかったぁ｣
モストロ・ラウンジに足を踏み入れた直後、勢いよく駆け寄って来たフロイドに思い切り抱きつかれた。
抱き締められた格好のまま持ち上げられたと思えば、彼はそのままクルクルと回り始める。
Aの透き通るような美しい紫の髪が舞い上がり、まるでカーテンの様に二人を外界から区切った。
｢こらこら、フロイド。Aさんが困っていますよ｣
｢あ、ジェイドだぁ。えぇ、Aちゃんこうされるの嫌？｣
｢……取り敢えず降ろして頂けますかね｣
｢むぅ、はぁい｣
むっすりとしながらも素直に降ろしてくれたフロイドの頭を撫でつつ、降ろすように促してくれたジェイドに礼を伝えようとしたその時、今度は彼に抱き上げられる。
やはり双子か、思うところと行動は似ているのか、とAは諦めを覚え、遠い目をしながらジェイドの腕に体を預けた。
閑散としているラウンジの奥、最も水槽内が美しく見える席にアズールが待機していれば、何故かジェイドがAを姫抱きしているのを視界に捉えた。
｢ちょっとアズール！ この双子どうにかしなさいよ！｣
｢そんなことを言われても、僕にはどうにも出来ませんよ。それよりも……ようこそいらっしゃいました。ご利用ありがとうございます｣
｢……こっちこそ、場所を提供してくれて助かったわ。やっぱり人魚には水が似合うものね｣
｢あん時のAちゃんはすっげー綺麗だったよねぇ。また見れるなんて、オレ嬉しいなぁ｣
｢まずは水の中に入りましょうか。僕達もご一緒しますね｣
右手をジェイド、左手をフロイドと繋いだ状態でラウンジの裏へと歩いていくAの背中を、ヴィルは心底愛おしそうな瞳で見つめている。
礼儀正しく、誰に対しても平等な対応をするということは"言うは易く行うは難しい"ものだ。
そんな彼女にどうにかして息抜きをさせたいと考えた結果、言い方は悪いかもしれないが、ヴィルはオクタヴィネルの三人を利用することに決めたのである。
｢やっぱり……Aには強引さも必要ね。アタシもフロイドみたいに連れ回してみようかしら｣
｢そんなことをすれば、Aさんからウザがられるのでは？｣
｢分かってるわよ、そんなこと。だから此処に連れて来たんじゃないの｣
三人が水槽内に飛び込んだことにより、大量の水泡が生まれては浮かび上がっていく。
ヴィルがひらりと手を振れば、Aから会釈と共に控えめに手が振り返された。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
