2 ページ19
そのまま連れて行かれた先はマジフト場。
どうせなら一緒に寮まで帰ろう、良かったら自分達がマジフトをしているのを見ていって欲しいという理由で、エペルとラギーに引きずられたのである。
運動全般が好きなジャックは部活に参加させてもらうらしく、運動着に着替えて準備万端だった。
｢あ？ 何だよ、Aも参加しねぇのか？｣
｢人員が足りないのならば構いませんが、そうではなさそうですので遠慮しておきます｣
｢チッ｣
何故かレオナに舌打ちをされたが、そんなものを気にして頷くAではない。
マジフト大会の時の戦略と魔法に興味津々な部員から激しく勧誘されたものの、彼女はそれを全て断って観戦席へと移動した。
｢A！ 見てろよ！｣
｢けっぱるはんでね！｣
｢シシシッ、楽しんでくれっス！｣
｢お前ら全員うるせぇ、お前は俺だけ見とけ｣
ひらひらと手を振って答えた直後、派手に魔法のぶつかり合う模擬戦が始まったのであった。
｢『
試合開始から数分後、試合が白熱している最中、Aはとある事を思いついた為にマジカルペンを取り出して、ユニーク魔法で使用する道具をぽんぽんと取り出していく。
沢山の大きいタッパーに木製スプーン、大量の檸檬と蜂蜜を召喚した後、魔法を駆使して檸檬を薄く輪切りにしていったのだ。
タッパーに檸檬の輪切りを詰め、蜂蜜に浸してから蓋を閉める。
｢――おや、レモンの蜂蜜漬けですか？｣
｢神出鬼没ですねぇ、クロウリー殿。貴方の言う通り、檸檬の蜂蜜漬けですよ｣
｢それは美味しそうですね！ ですが、漬けるのに一日から三日はかかるのではありませんか？｣
｢ええ……なのでこうするのです。『
魔法士として、というよりかは魔法という未知のモノに触れて一年も経っていないのに、上級者向けの時間操作魔法を使用している事実にクロウリーは瞠目した。
それと同時にAの類い稀なる才能と努力を知ることとなり、彼女の心身が心配になってくる。
｢Aさんは努力家ですねぇ｣
｢努力というよりかは、すべき事をこなしているだけなのですが｣
｢いやいや、何を言うのですか！ 貴女のように若い方で、ここまで努力を怠らない人は中々いませんよ！｣
｢……何か勘違いしておられるようですね。私、もう既に五十を超えておりますよ｣
｢エッ｣
｢霊力の影響で見た目は老けていないだけです｣
｢エエッ！？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1934人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
