Request：ころころわんこ ページ40
何時もの様にクルーウェルの部屋で過ごしている時、理由は分からないが唐突に明日の予定を聞かれた。
Aがきょとんと首を傾げながらも予定がないことを伝えると、彼は満足気に頷きつつスマホの画面を見せてきたのである。
｢明日、これに行かないか？｣
｢……えぇ、喜んで｣
スマホの画面に表示されてる頁を見た途端、Aの目が僅かに見開き、色の深みが異なる碧眼がきらきらと輝いたことをクルーウェルは見逃さなかった。
普段よりも確実に機嫌の良いAの頬を手の甲で撫でてから、クルーウェルは彼女の太腿を枕にしてソファに寝転がる。
すよすよと小さな寝息を吐きながら寝てしまった彼の髪を梳きながら、Aは手元の小説の文字を置い始めたのであった。
＊＊＊
翌日。
最後の授業が終了したことを示すチャイムが鳴り響いた直後、一年B組の教室の扉をノックする音が聞こえてきた。
そちらに目線を向けてみれば、何時ものスーツとファーコートではなく、黒のハイネックニットとグレーのパンツを着ているクルーウェルが居り、扉に凭れ掛かりながらAへ手を振っているのが見える。
いきなりの教師の登場、更には私服を着ているということでクラス一同騒然だ。
｢クルーウェル先生！？｣
｢Aちゃんに手を振ってる、よね？｣
｢そうですね｣
｢何で私服なんだ？｣
｢今から出掛けるからです｣
｢｢えっ！？｣｣
驚きを露にするジャックとエペルに簡単に説明しつつも、手早く鞄に教科書類を全て詰め込んだAは、いそいそとクルーウェルの元へと歩いていった。
ピアスや指輪を着けている彼の雰囲気は普段と異なり、色香のある大人な男性という表現がぴったりであろう。
随分と雰囲気が変わるものだと思っていれば、彼女の体をくるくる回るようにして真っ白な光の粒子が現れた。
ふわりと髪が緩く浮き上がり、勝手に編み込みが施されて紫色の髪が一つに纏められていく。
何時の間にか制服から、白色のタートルネックニットと紅色のハイウエストに着替えさせられていた。
｢ん……よく似合っている｣
｢着替える必要性はありましたでしょうか｣
｢俺の立場上、制服デートは勘弁してもらいたいからな。それに、俺の選んだ服を身に纏うお前が見たかった｣
｢前半は理解出来ましたが、後半は分かりかねますね｣
｢後々分かってもらえれば良いさ。さて、行くぞ｣
クルーウェルに腰を抱かれながら教室を出て行くAの背中を、ジャックとエペルは呆然と見つめていた。
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ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
