Request：スペードの独白 ページ26
Aは凄いやつだ。
授業終わりには先生に呼び止められて、何かを話してから次の授業へ行くのは毎日毎回の光景だ。
これは、それだけAが先生達から信頼されて可愛がられているということ。
｢A、この実験なんだが……改良するならどこだと思う？｣
｢ふむ、そうですねぇ｣
魔法薬学の授業で分からないところがあったからクルーウェル先生の部屋に向かったら、扉の向こうからAとトレイン先生が話している声が聞こえてきた。
クルーウェル先生とは錬金術や魔法薬学の実験方法について相談し合っていて、トレイン先生とは昔の文献を並べて何かを話しているようだ。
｢む？ 何だ、スペードか。どうした｣
｢あ、あの……分からないところがあって……｣
Aのことをチラりと見た後、一つ溜息をついてから手招きをしてくれた先生に何だか申し訳ない気持ちが湧き上がってきた。
そりゃあ何度も何度も質問しにきて、何時間も居座ってくる生徒はあまり宜しくないよなぁ。
教科書とノートを開きながら先生の説明を聞いたけど理解が出来ん……な、何だコレは？？
｢はぁ……｣
｢す、すんません！！｣
｢お前は本当に授業を聞いているのか？｣
｢きっ、聞いてます！｣
母さんを安心させる為に僕は優等生になるって決めたんだから、勿論授業はちゃんと聞いてるし受けてる。
だから理解が出来る筈なのに……何で僕は理解が出来ないんだ！？
頭を抱えながら唸っていれば、後ろからちょんちょんと肩を叩かれる。
｢A？｣
｢紅茶をどうぞ。クルーウェル殿には珈琲を入れましたが、貴方は珈琲で良かったでしょうか｣
｢ああ、助かる。それで、Aはどうした？｣
｢ご助力しようかと思いまして……それで、デュースさんはどこが分からないのです｣
誕生日席に僕が座って、両サイドからクルーウェル先生とAが教科書やノートをペン先でつつきながら解説を始めた。
Aがいるだけで心に余裕が出来る……それに、クルーウェル先生の機嫌が多少良くなってるから、それだけでありがたいな。
後ろからトレイン先生もひょこりと覗き込んできて、教科書の難しい言葉を簡単な言葉に変換して教えてくれる。
｢ですから、ここは――｣
｢なら、ここでその薬草を入れる理由は爆発を防ぐ為ってことか？｣
｢そうだ。では、もしも薬草ではなく鉱石を入れたらどうなると思う？｣
うーん、うーんと頭を悩ませていたら、時間がかかり過ぎたようでクルーウェル先生に頭を教科書で叩かれた。
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ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
