渇望と亀裂 ページ3
Aからラギーを受け取ったデュースは、荒い息を吐き出している彼の腕へと視線を向けて愕然とした。
｢ラギーの腕にひび割れが！｣
｢まさか人間も干上がらせるってのかよ！？｣
｢嘘でしょ……それならAちゃんが！！！｣
グリムが吹き飛ばされないように抱き締めていたユウの叫びを聞いて、リドル達は一様にハッとする。
慌ててリドルはユニーク魔法を使って魔法を封じようとしたものの、防御魔法の得意なレオナに弾かれて不発に終わってしまった。
からん、と地面に弾き飛ばされたハートの首輪が虚しい音を立てて消えていく。
その間にも、Aの右肩と左腕は着々とひび割れ、粘土のような色合いへと変化している。
このままでは本当に危険な状態に陥ってしまうとリドルが唇を噛み締めたその時、特徴的な遠吠えと巨大な白銀がAとレオナの体を離させた。
｢ガルルル！ ガウッ！！！｣
｢何だと！？ ぐぁっ！！｣
｢レオナに隙が出来た！『
｢ぐあぁっっ！！｣
｢リドルくん、流石！ レオナくんの魔法が止まった！｣
｢｢Aさん！！｣｣
巨大な白銀の狼によって作られた隙を見逃さず、リドルは透かさず彼に首輪をはめる。
首輪がはめられた衝撃によってレオナの体が後ろへと傾いたのと同時に、Aの肩から腕が離された。
ふらりとぐらついたAの体を銀髪の彼・シルバーが受け止め、ミント色の髪の彼・セベクがレオナのことを牽制しながらリリアの場所へと移動する。
何とか立つことは出来ているものの、今までに感じたことのない激痛に彼女は僅かに顔を歪めていた。
｢なんということだ……！！｣
｢痛むか？ Aよ｣
｢生きているので大丈夫ですけれど……っ、いっ｣
｢助けるのが遅れてしまい申し訳ない！｣
｢貴方達が謝罪する必要はっ、ないので構いません｣
左腕がひび割れている為、そちらよりも痛みを訴えている右肩を押さえることすら出来ない。
体の奥から渇きが沸き上がってくるのが分かって、Aは思ったよりも自分が危機的状況に晒されていることを理解した。
それでもフラつく体を無理矢理動かし、彼女はレオナへと近寄ろうと歩き出す。
彼女は放っておけなかったのだ。
若しかしたら元の世界で、身近な誰かが彼と同じ状況に陥っていたかもしれないと考えれば、どうしても他人事として処理出来なかった。
もう一歩を踏み出した時、Aは後ろから誰かに抱き締められて制止を受ける。
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みっきーうっきー - とても、面白い作品ですね。更新停止とかやめてくださいね！応援しているので、頑張って下さい！諦めないで下さい！ \`∀´/ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - 本編への組み込み方はもちろんのこと、描写のひとつひとつが美しくて読んでいてとっても楽しいです…！素敵な主人公ちゃんと出会わせてくれてありがとうございます。これからも楽しみにしています！ (2020年4月13日 13時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - たまらないほどに読み進めてます！！こういう主人公ちゃん大好きです！！！続きを楽しみに何度も読み返してます。応援してます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月12日 18時
