愚者と王者と夜叉 ページ47
マジフト大会当日。
サイドストリートではフェスティバルを開催しており、沢山の露店が並んで賑わいを見せていた。
煩いのは嫌いだが、騒がしいのは嫌いではないAは、きょろきょろと露店の商品を見回して、甘いものを売り出している店を探している。
そんな時、後ろから誰かに声をかけられた。
｢Aちゃんみーっけ♡｣
｢おや、Aさんではありませんか。何かお探しですか？｣
｢フロイドさんにジェイドさんでしたか。これはどうも。探しているというか、あれば良い程度ですからお気になさらず｣
たたたっと駆け寄ってきたフロイドに後ろから抱き締められ、思わずふらりと体が傾いてしまったところをジェイドに抱きとめられる。
双子にサンドウィッチにされているところへ、更に後ろからアズールがやって来た。
相変わらず裏を読み取りにくい笑顔を浮かべている。
｢ああ、Aでしたか。ジェイドとフロイドがいきなり走り出したので何かと思えば……｣
｢はい、私です。どうやら皆様はお仕事中のようですねぇ。お勤め、ご苦労様でございます｣
｢ふふふ、ありがとうございます｣
｢やった〜、Aちゃんに褒められちゃった｣
お揃いの寮服を着こなし、悠然と歩いている彼らは、他人の容姿に殆ど興味を持たないAから見てもとても絵になっていた。
オクタヴィネル寮のスリートップと並んで歩き、仲良さげに会話をしているAのことを、周りの生徒達は珍獣を見る目で盗み見ている。
見られようとも害はない、と判断した彼女は放置に徹したが、フロイドは影のある笑顔で見回すことで周囲に牽制を行っていた。
｢そういえば、貴女は何か買ったんですか？｣
｢何か甘いものでもあれば買おうかと思ったのですけれど……飲料や軽食が多くて｣
｢成程、貴女の甘いもの好きは相変わらずですね。バランス良く食べるのが大事なのですよ？｣
｢まあまあ、アズール。Aさん、これが今回出店している店の名前と位置、メニューの一覧です。スイーツ系はこの辺りにかたまっていますよ｣
フロイドの言う通り、確かにスイーツ系の飲食物を販売している露店はある一箇所に集められているようだ。
ソフトクリーム、シャーベット、シュークリームにクレープ、後はキャンディや出張カフェテリアなど種類は様々。
｢クレープはこちらですよ。ご案内しましょう｣
｢ほらほらぁ、Aちゃん早く行こぉ？｣
何故か表示価格よりも半額でクレープを購入出来てしまった。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
