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双方共が暫く睨み合っていたが、レオナが飽きて帰っていったことによってこの場は収まった。
ボロボロの状態で地面に座り込んでいるケイトが、頬を掻きながら恥ずかしそうに目を逸らす。
｢大丈夫ですか！？｣
｢あはは、かっこ悪いとこ見られちゃったねー｣
｢ジャック、だったな。助かった｣
｢別に。俺が助けたのはAだ、お前らを助けたわけじゃねぇ｣
｢はぁ、めっちゃ泥だらけ。今日のところは寮に戻ろうぜ｣
｢オレ様も腹が減ったんだゾ｣
｢んじゃ、ジャックくん。オレ達帰るけど、怪我には気を付けるんだよ｣
｢お前らに心配される筋合いねぇっつってんだろ。さっさと帰れ｣
愚痴を言いながらエーデュースとグリムが鏡へと向かって歩いていく中、ケイトとユウは何故かAだけが動かないことに気が付いた。
若しかして何処か怪我をしてしまったのだろうか、はたまた何か嫌なことでも言われたりされたりしたのだろうか。
そんな不安が浮かび上がり、ケイトが彼女の顔を覗き込んだものの、相変わらずの鉄仮面で何も読み取ることが出来ない。
そして次の瞬間、Aは衝撃的な言葉を口にしたのであった。
｢私、少し此処に残りますのでお二人は先に戻って下さいませ｣
｢｢はぁ！？｣｣
｢それでは、お気を付けて｣
そう言い放ってから歩き出し、エーデュース達が出て行った方と逆の出口からマジフト場を出て行ったAに二人は唖然として硬直した。
慌てて追いかけようにも、また絡まれてしまっては堪らないし何より地図が分からない為に迷子になる可能性が高過ぎる。
彼女のことを心配しつつも、二人は鏡のある所へと急いで駆け出した。
＊＊＊
時間は過ぎ、今は夜の十一時。
｢レオナさん、お疲れ様ッス。お夜食持ってきたッスよ。ついでに一仕事こなしてきたっス｣
｢あぁ。お前は気が利くな、ラギー｣
｢そりゃもう。レオナさんの為ならお安い御用ッス｣
｢はっ、よく言うぜ。自分の為にやってんだろ、お前は｣
｢……やだなあ、レオナさん。オレ達の為、ッスよ。世界をひっくり返してやりたいのは皆一緒っス。……伝説の百獣の王と手を組んだハイエナだって、自分達の今日遇をひっくり返す為に百獣の王に従った。オレも同じことをしてるだけッスよ｣
｢ふん、なら"狩り"は慎重にやれ。証拠を残すなよ｣
｢シシシッ！ 勿論。獲物は一欠片だって残さず片付けるのがハイエナのポリシーっスから｣
にんまりと、ラギーは楽しげに笑い声を零した。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
