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「なれど、リドルさんも厳し過ぎる面がありますよ。なんでもない日のパーティは式典の場でもあり、祝いの場でもあるのでしょう。多少は目を瞑っても、誰も悪さはしませんよ」
「けどA!」
「……Aちゃんの言う通りだよ。それに、頑張って作ったのにその言い方はないんじゃないですか?」
何故ユウはそこで発言をしたのか。
Aの冷静な判断と落ち着いた口調によって、リドルを宥めることが出来ていたのにそこで再熱させてどうするのだ。
ケイトだけが彼女のしようとしていた事を理解していたのだろう、あちゃーと額に手を当てて空を仰いだ。
「そうだよ。さっきから聞いてりゃ、可笑しなルールばっか並べやがって……馬鹿じゃねーの」
「馬鹿……だって?」
「ちょ、ストップ! それは言っちゃダメなやつ! あとリドルくんも、こいつら、まだ入学し立てほやほやの新入生だからね?」
「いーや言うね。そんなルールに従ってタルトを捨てるだなんて馬鹿だって思うだろ。ふざけんなよ」
「俺もエースに賛成です。勿論、ルールは守らなければならないものだとは思いますが……流石に突飛過ぎる」
もうこの辺りでAは諦めた。
ケイトのフォローも意味無くして終わってしまったし、エースとデュースがここまでリドルのことを煽り倒したら何も出来まい。
案の定、リドルが眉を吊り上げているのを確認した彼女はケイトと目線を合わせて溜息を吐いた。
因みにケイトは苦笑している。
「ボクに口答えとはいい度胸がおありだね。いいかい。小さなルール違反が、大きな問題に繋がるんだ」
「他の奴らも、魔法封じられるのが怖くて言い出せないけど、こんなの可笑しいの思ってんだろ!?」
「いや、僕達は……」
「へぇ、そうなのかい?」
「と、とんでもありません、寮長!」
「全ては寮長のご決断次第です!」
「そんなぁ〜!」
「チッ……日和やがって、ダッセー」
エースの指摘は尤もだし、リドルの言っていることは半分正解で半分不正解だ。
恐怖政治と独裁政権は簡単に崩壊するし、民の不満も溜まりやすいもの。
今のリドルは皆のことを考えるあまりに、皆を抑制してしまっている状態だろう。
「ボクが寮長になって一年。ハーツラビュル寮からは一人の留年者、退学者も出していない。これは全寮内でハーツラビュルだけだ。この寮の中でボクが一番成績が優秀で、一番強い」
何故、彼の近くに居た人物は口を噤んだのだろう。
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にゃーちゃん - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年5月16日 20時) (レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです!面白いです!! (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです!マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください!! (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆるり | 作成日時:2020年4月2日 1時