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｢形もある、色もある……だが、汝の魂から魔力"は"感じられない。あるのは魔力以外のナニカだ｣
｢何ですって！？ Aさん、心当たりはありますか？｣
そう言われても、と考えたところでAは一つだけ思い当たる節があった。
それは"霊力"というもの。
戦の多い時代で生きていたAにとって、戦うことは必要不可欠であった。
それ故に彼女は刀を構え、戦場を駆け抜けていたのだが、その時の刀には不思議な力があったのである。
刀の名は"痣丸"、そして"鬼神大王波平行安"。
どちらとも格式高く、摩訶不思議な力を秘めた日本刀だ。
｢私は霊力というものをこの身に宿しております。霊力の使用方法は……そうですね、例えば全てを弾く結界を張ったり、付喪神を卸したり、人間を斬らずに邪のみを斬ることが出来ます｣
｢そうか。ならば色と形で判断しよう｣
規律に則り、守り通すことに重きを置いている。
慈悲深い、そして心の器も大きい。
武術に精通しているが、知を得ることを疎かにすることはなく博識である。
精密技術にも強いが、何よりその整った容姿は捨て置くことなど出来ない。
上記のようにつらつらと鏡の中の仮面が話すが、Aとしては全く納得出来ていなかった。
彼女は著しく自己評価が低いからである。
無表情を貫きながらも、内心完全否定を繰り返していることには誰も気が付いていなかった。
｢ふむ、決めた｣
｢……。｣
｢汝はポムフィオーレ寮だ｣
ポムフィオーレ寮に振り分けられたと思わしき新入生の何人かが歓喜で腕を上げて喜びを露とする。
先程話をしたヴィルも嬉しそうに笑顔を浮かべていた。
今までならば、寮分けをした後は話さない闇の鏡だが、何故だかその口を再び開く。
｢全ての寮において適性はある。だが、汝には偏りが見られなかった。意思や能力が中途半端なわけではない、寧ろ他と比べれば突出しているだろう｣
｢戯言を……過大評価も甚だしいですね｣
｢否、それはない。故に汝の容姿も、備え持つ能力も、汝の総てを高貴で希少なものだと判断した。これは宝石にも何にも勝るであろう｣
ざわっ、とこの場が震える。
正確で平等な判断を下す闇の鏡に、ここまでの評価をさせる誰かが存在するとは考えもしなかったからだ。
リドルは自寮に彼女が選ばれなかったことに悔しそうな表情を浮かべており、そんな彼に対してヴィルが満足げな笑顔を向けて軽く煽っていた。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
