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――殺さなきゃ。
――あいつは駄目だ、邪魔だ、危険過ぎる。
――きっとあいつは気付いてる、俺が人狼だってことに。
カツカツカツ、と冷たい床を靴の踵がノックする荒々しい音が廊下に響き渡る。
男は興奮した様子で息を吐き出しながら、右手で切れ味の良さそうなサバイバルナイフを弄んでいた。
――馬鹿め、狩人だなんて公表するから俺に狙われるんだ。
――お前さえ消えれば、あいつらに指示を出す司令塔が居なくなってゲームが有利に進められる。
左手で205号室のドアノブを静かに回して、足音を立てないように気を付けながら、部屋の中へと足を踏み入れる。
そっと、そぉっと、紫色の美しい髪が広がっているベッドに近付いて、男は彼女がきちんと寝ていることを確かめた。
そして、ナイフの柄に左手を添えて頭上に持ち上げると、勢いよく心臓の辺り目掛けて振り下ろしたのである。
｢……やはり、貴方でしたか｣
｢なっ！？ 嘘だ、さっきまでベッドで寝てたのに！｣
｢残念ながら、私はそこら辺にいらっしゃるか弱い女性ではありませんよ。貴方の足音も、気配も、香りも……何もかも、部屋の扉を開けた瞬間から気付いておりましたから｣
が、しかし、ナイフの振り下ろされた先には何も無く、真っ赤な鮮血が染み出すこともなかったのだ。
先程までは存在していた膨らみも消え失せており、彼女の姿がベッドから一瞬で移動したことを示している。
そして、首筋にAの右手が添えられたことで、男は漸く彼女が自分の背後に居ることに気が付いたのであった。
｢でも所詮は女ッ！ 男に力で勝てるわけがね――っ｣
｢黙れ雑魚が｣
男の言葉を遮り、Aは彼の鳩尾を思いきり蹴り飛ばす。
嘔吐きながら、咳き込みながら、唾液を零しながら勢いよく廊下まで吹き飛んでいった男は、呆然としながら涙目でAを見上げた。
ガタイの良い男に全力で殴られたり、蹴られたりするよりも威力のある攻撃を受けたことが信じられなかったのである。
そして、男は漸く気付いたのだ。
｢救済措置は態とか……！ 人狼を炙り出す為に！ 態と歯向かったのかァ！！｣
｢当たり前でしょうに。貴方と私では経験も知識も、能力も何もかもに差があり過ぎます……きっと、貴方ならば私を殺そうとすると思いましたよ｣
｢自分は狙われても反抗が出来るからッ、｣
｢態と狩人だと知らせました。さて、これで貴方に後は無くなりました……明日の二十時が、楽しみですねぇ｣
これは悪魔の宣告。
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太宰、乱歩などの頭脳派推し - いろんな世界に行ってるみたいなので、其処で知ったボカロなどを歌ってみてほしいです！歌ってみた的な。 (2022年3月14日 3時) (
レス) @page20 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 舞夜桜さん» リクエストですね、大丈夫ですよ！ 喜んで承ります〜！ 少しお時間いただきますね。 (2020年7月27日 21時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
舞夜桜 - モブ男が夢主を襲う｢身体中を触ったり、叩いたりする」 それを目撃したキャラが激おこする。 とか書けますでしょうか？ 無理でしたら大丈夫です！ (2020年7月27日 20時) (レス) id: 7970974f99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - ミミズクさん» ありがとうございます〜！！ 無理してませんよ！ 楽しくやってますから！ これからも頑張りますね！ (2020年7月17日 9時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミミズク - いつ見ても最高です！更新無理せず頑張ってください!!! (2020年7月16日 23時) (レス) id: e138928b3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年7月4日 16時
