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｢……My lady｣
ぽつり、と低くて甘い声で落とされた台詞に、会場内の妖精達は黄色い悲鳴をあげる。
レオナは片側だけ口角を上げると、ランウェイの中央へと飛び乗って、堂々とした佇まいでAのことだけを見つめ続ける。
もしも歌詞がそのまま自分達に当てはまったら、だなんて現段階では有り得もしない願望を胸に抱いてしまっていた。
今のAは、以前と同様に演じているだけだというのに。
そんな時だ、Aがほんの少しだけ脚に力を込めると、レオナに向けて駆け出したのは。
｢ふふっ、愛しています｣
｢あぁ……俺も愛してる。お前しか要らねぇ。お前を振った馬鹿男なんて今すぐ忘れろ、俺だけを覚えていれば良い｣
レオナは勢いよく飛びついてきたAを抱きとめて腕の中に閉じ込めると、くるくるとその場で何度も回転を繰り返す。
漸く涙を流していた理由と、途中から曲の種類が変化した理由が分かったのか、皆は一斉に頬を赤く染めながら騒ぎ始めた。
登場時の涙は昔の恋人に振られてしまい、悲しみに暮れていた為に流れていたもの。
その後、Aがターンをしたり、美しい舞を披露する度に黄梅連花の花弁が現れていたのは花言葉が要因だ。
黄梅連花の花言葉は"二度目の恋"、つまりはレオナと出会って恋をしたということ。
恋をすることを、"春が来る"だなんて言い換えをすることがあるだろう。
この言葉より、Aは花魁の悲恋と新しい恋についてをフェアリーガラのファッションショーで演じたのであった。
｢あの衣装、若しかして何処かの郷の伝統衣装なのかもしれないわね！｣
｢何て美しいカップルなんだろうか……！｣
好き勝手に妖精が推測をしている最中、今まで魔法で姿を消していた子供ドラゴンがAの頭上に姿を現した。
そして、円を描くかのような動きで旋回しながら、アズール達が徹夜して作った魔法薬の粉を振りかけたのである。
みるみるうちに髪が元の長さまで伸びていき、昨晩、妖精に切られる前の状態に戻ったのであった。
硝子窓から差し込む日光によって透き通り、光を帯びた紫色の髪が、Aの動きに合わせて靡き始める。
｢まぁまぁ、何とも美しい髪なのでしょう。しかし、その髪を私は何処かで見たことがある気がするのです……｣
頭を悩ませ始めた女王、顔を強ばらせた妖精、瞳に剣呑な光を宿したA。
そんな三人を視界に捉えたレオナは、Aの髪が短くなっていた大体の理由と背景を察したのであった。
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ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» ありがとうございます〜〜！ 嬉しいです……更新頑張れます！これからもどうぞ、よろしくお願い致します！ (2020年7月2日 9時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - ゆるり様、夢主の推察能力が半端なくて素敵でした！物語の続き楽しみにしてます。この作品が、大好きです(^^)すごく面白かったですm(__)m (2020年7月2日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - リリア最推しさん» 勿論出演予定ですよ！この後のお話に出てきますので、少々お待ちくださいませ！ (2020年6月28日 14時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
リリア最推し - 夢主の髪が切られたら1番黙ってない妖精王が居ますけど、出演ありですか？？ (2020年6月28日 13時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» お褒めいただき光栄です〜！ 私の文章能力で、書きたいことが伝わるか不安でしたが……良かったです！ (2020年6月28日 8時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年6月21日 12時
