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これは大騒ぎの大乱闘になると予測したルークは、Aの肩に手を置いて方向転換をさせると、そのまま背中を押して部屋から揃って退室していく。
案の定、この五秒後には魔法のぶつかり合う音と暴言、そして怒声が聞こえてきた。


「よし、そろそろ植物園へ向かおうか」

「……あれは放置ですか」

「ふふっ、後で請求書を送っておけば問題ないさ!」

「きゅう!」


つまりは放置、乱闘だろうが器物破損であろうが好きにしてもらって構わないが、破壊された家具や壁の請求はきちんとするということ。
ヴィルのように素直に感情を表現するタイプではないが、内に溜め込んでは静かに発散させているルークの方が実際厄介な性格なのだろう。

ポムフィオーレは何処ぞの貴族や商人の息子など、金持ちで美意識の高い男子達が揃っている場合が多い。
それ故に、寮内の装飾品や家具は結構な高級品が使用されているのだ。
それを弁償させるだなんて、ルークもかなり良い性格をしている。


「Allons、雪の女王」

「……À plus、ルークさん」



***



植物園に向かう道程にて。
子供ドラゴンを抱っこしたまま移動していると、くいくいと衣装の袖元をドラゴンに引っ張られた。
そちらに視線を送ると、彼が小さな口に何かをくわえており、己へと渡そうと必死に上へと顔を突き出しているのが見える。


「鈴、ですか」

「ぐるっ!」

「妖精と話すには専用の翻訳機が必要なのですね。成程、助かります。因みに貴方、どうして鈴を持っているのですか」

「きゅう」

「……私の髪を勝手に切った妖精に怒って、仕返しに鈴を盗んできたというのですか。豪胆ですねぇ」


目には目を歯には歯を、窃盗には窃盗をというところか。
可愛い顔や鳴き声をしている割に、かなり男前で狡賢い性格をしているようだ。
この際経緯はどうでも良いと判断したAは、ドラゴンの頭を優しく撫でながら鈴を受け取り、帯の装飾品の一部として使用することに決めた。
純白の藤の花や月下美人と同様に、動く度に揺れるように帯にチェーン部分を巻き付けていく。


「レオナさん達は既に会場入りを果たしているようですねぇ。どうせならば、ショーが始まるまで気付かれないように致しましょうか」

「くるるっ!」

「おや、貴方も共にいらっしゃるのですね。それなれば、妖精にバレないように気を付けて下さいよ」


任せろ、と言わんばかりに胸を張り、一際大きく鳴き声をあげたドラゴンに対し、Aはほんのりと表情を緩めた。

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ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» ありがとうございます〜〜! 嬉しいです……更新頑張れます!これからもどうぞ、よろしくお願い致します! (2020年7月2日 9時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - ゆるり様、夢主の推察能力が半端なくて素敵でした!物語の続き楽しみにしてます。この作品が、大好きです(^^)すごく面白かったですm(__)m (2020年7月2日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - リリア最推しさん» 勿論出演予定ですよ!この後のお話に出てきますので、少々お待ちくださいませ! (2020年6月28日 14時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
リリア最推し - 夢主の髪が切られたら1番黙ってない妖精王が居ますけど、出演ありですか?? (2020年6月28日 13時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» お褒めいただき光栄です〜! 私の文章能力で、書きたいことが伝わるか不安でしたが……良かったです! (2020年6月28日 8時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆるり | 作成日時:2020年6月21日 12時

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