最愛シンメトリー【U.Hidaka】 (ページ23)

今日:17 hit、昨日:8 hit、合計:303,723 hit

うきひめはシンメページ23

『うきなすひめで、Moonlight Walkerやりたいな！』
いつかの雑誌の取材で語った夢。
もうすぐで、現実になる。

サマステに向けて、毎日練習。
グループで披露する曲以外に、シンメでしたり、ソロの演目があったり。
覚える曲が多くて、大変。
でもでも、大好きな皆に、最高の時間を過ごしてもらいたいから。
今日も頑張る。

A.B.C-Zさんの、Moonlight Walkerという曲。
個人的に好きだから、という理由が一番だけど、
最近どんどん大人になってる二人と、一緒に歌いたかった。

「Aはこの後、ソロの練習もするんでしょ？」
一旦休憩しようよ、と飛貴が言う。
先のことまで、よく考えてるな…。

受け取った水を飲みながら、ぼーっとしていると、
「うきひめは、シンメ曲なんだったっけ？」
雄登が聞いてきた。
そういえば、皆の前で練習したことなかったな…。
「健人くんと風磨くんの、Electric Shockだよ」
「おお！いいね、楽しみ！
なかなかうきひめの曲見れないから、皆もきっと喜んでくれるはずだよ」
ふんわりと微笑む雄登。

今回のうきひめの演目は、雄登のリクエストだ。
入所してから、私と飛貴はずっと一緒に活動してきた。
B少年に入るまでは、″うきひめ″はシンメだったけど…。
B少年での私は、中心のような存在らしく、
決まったシンメはいない。
でも、ファンの中にはうきひめをずっと推してくれてる方もいて。
″うきひめ″がシンメだったということが、忘れられなくてよかった…って思ってる。
今のこのポジションも、嫌いではないけど。
やっぱり、私にもシンメがほしい…。

「A？」
大丈夫？と不安げな表情で私の顔を覗き込む飛貴。
「大丈夫だよ」
「そう？ならいいんだけど。
無理しないでね」
ポンポンと頭を撫でて、一世のもとへ行こうとした飛貴が振り返る。
「今でもAは、俺の大切なシンメだからね！」
私の気持ちを全て知っていたように、言った。

「別に、シンメは一人って決まってるわけじゃないし。気にしないでいいと思うよ」
隣でそう言う雄登も、きっと全部わかってたのだろう。
「やっぱ、うきなすには適わないな」