最愛シンメトリーII【U.Hidaka】 (ページ14)

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バレンタインページ14

Side of Hidaka

楽屋に入ると、何故かHiHiもいて。
俺が一番最後だった。

「おはよ！」
「おはよー」

AはHiHiにベッタリだったから、仕方なく龍我の隣に座る。

「何食べてんの？」
「ん？Aちゃんがくれたの！」
見渡せば、皆同じ袋を持っていた。

「いいなー！俺も欲しい！
Aー！」
「な、何？」
Aに飛びつくと顔を顰めるが、気にしない。
「俺もお菓子欲しい！ください!!」
「うるさい」
と引き剥がされたので、土下座する。

「そんなに？」
皆に笑われるけど、そんなに欲しいの。
だって、Aのお菓子美味しいんだもん！

はぁ、とわざとらしくため息をついたA。
「帰りに渡そうと思ってたのに…」
と言いながら、押し付けられた箱。
「なんで浮所だけ箱なの!?」
「浮所ずるー」
皆と違うのって、もしかして…
「シンメだもん。そりゃあ少しは特別扱いしなきゃ」
……ですよね。
ちょっと期待しちゃったじゃん。
いや、勝手に期待して勝手に落ち込んでるのは俺なんだよな。

「他にもいろいろあるけど…」
ぼそっと呟かれた声を、残念ながら俺は聞き取れなかったけど。

「へー」
「瑞稀うざい」
ニヤニヤと笑っている瑞稀くんだけは、聞き取れたらしい。

「浮所、大丈夫。悪いことじゃないから」
「瑞稀ほんとうるさい！」
顔を真っ赤にして叫ぶAに、ますます内容が気になるが、
「早く準備して！」
今はまだ、知らなくてもいいのかな。