26th ページ28
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エレンのいう右から来るなにかの気配を私も感じた。
確かに、なにかが近づいてきている。
「 黒の煙弾！！ 」
「 すぐ後ろからだ！ 」
エレンがいい、オルオさんが答える。
もうすぐそこだ。緊張感が高まる。
「 右からきていたというなにかだな 」
エルドさんがそう言う。
「 お前ら剣を抜け 」
兵長が言う。みな一斉に兵長の方を向いた。
「 それが姿を現すとしたら一瞬だ 」
私も剣を抜いた。
少しの静寂。のあと。
それは姿を現し、一人の兵士を潰した。
血が撒きちる。
奇行種…というより
この巨人は、知性のある巨人だ。
エレンが怯えたような声を出す。
兵長が声を上げる。
「 走れ！！！ 」
女型の巨人は木を倒してこちらに向かってくる。
エレンがまた怯えたような声を出した。
「 エレン、前を向いて馬を走らせて。
追いつかれる 」
女型の巨人が走ってくる。速い。
「 速い！
この森の中だけじゃ事前に回避しようがない！ 」
「 追いつかれるぞお！！！！ 」
グンタさんとエルドさんがそう言い、
ペトラさんまでが口を開く。
「 兵長！
立体機動に移りましょう！！
兵長！！ 」
兵長は女型の巨人をじっと見ている。
何か考えているのだろうか。
でも、ここで立体機動に移るわけにはいかない。
リヴァイ班の人には作戦の内容が知られていないのか、
とそこでようやく気がついた。
「 背後より増援！！ 」
ペトラさんが言う。
だが、いくら増援が来たところで
無駄に死んでしまうだけだ。
次々と潰されていく兵士たち。
エレンが手を噛もうとした。
「 エレン？ 」
思わず囁くような声が出た。
「 何をしているのエレン！！ 」
ペトラさんが言う。
「 それが許されるのはあなたの命が
危うくなったときだけ。
私たちと約束したでしょう！？ 」
エレンはそれでも噛もうとする。私は前を向いた。
それが、エレンの判断なら。
「 エレン！！ 」
ペトラさんが声を荒らげる。
その瞬間、兵長が口を開いた。
「 お前は間違っていない 」
ペトラさんが勢いよく兵長を見た。
エレンも兵長を見つめる。
「 やりたきゃやれ。
俺にはわからない。ずっとそうだ。
自分の力を信じても
信頼に足る仲間の選択を信じても
結果は誰にもわからなかった 」
兵長を見る。
兵長は、きっと経験から語っている。
エレンに選択の時間が迫っていた。
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ガール - 最高過ぎます！ (2018年9月16日 19時) (
レス) id: 9eb3ea7897 (このIDを非表示/違反報告)
?.ﾟ織姫のゆーな(プロフ) - 雨屋まほろさん» わわ、コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです…。声が聞こえてナイフを手に取るシーンは前々から書いてみたいなと思っていまして、そんな細かいところまできちんと読んでくださるなんて励みになります。本当にありがとうございます！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: caa1caa173 (このIDを非表示/違反報告)
雨屋まほろ(プロフ) - 進撃の夢小説でこんなにも心をうたれたのは久しぶりです。気の利いたコメントはあまり書けないので一言で言わせていただきますと、めちゃくちゃ面白いです……声が聞こえてきてナイフ手に取るシーンがとてつもなくよきです…… (2018年7月25日 22時) (レス) id: 83522f25c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：?.ﾟ織姫のゆーな | 作成日時：2018年7月25日 0時
