14th ページ15
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ふと、目が覚めた。
窓からは月が見える。
まだ夜中だ。
もう1度寝ようとは思ったが
目が冴えてしまってなかなか寝付けない。
喉の渇きを覚え、ベッドから抜け出す。
扉をそっと開けると廊下には闇が広がっていた。
この年になって暗いのが怖いなんてことはない。
だけど、どうしようもなく不安になってしまう。
暗闇に飲み込まれてしまうのではないかと。
だが、喉の渇きは抑えられず一歩を踏み出した。
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カップに水を注ごうとした瞬間。
後ろから足音が聞こえた。
びく、と肩が震える。
振り向くと
そこにはリヴァイ兵長が立っていた。
肩に込められていた力を抜く。
「 おい。
こんな時間まで何してる 」
そう尋ねられる。
小さく咳払いをしてから私は答えた。
「 少し喉が渇いて 」
乾いた声が部屋に響いた。
「 明日はエレンの巨人化の実験がある。
早く寝ろ 」
そう言い、兵長はカップを手に取り紅茶を注いだ。
「 兵長は寝ないんですか 」
そう言いながらカップに水を注ごうとすると
「 眠れなくてな 」
少しの間のあとそう答えた。
「 眠れないのに紅茶を飲んでどうするんですか 」
水を注ぎ、兵長が
飲もうとしていた紅茶を取り上げ、水を渡す。
不機嫌そうな表情が目に入る。
「 兵長だって
明日の実験には立ち会うでしょう。
寝てください 」
怖くはなかった。
目の下に刻まれたクマをこれ以上濃くする必要はない。
「 おい 」
兵長の声が聞こえる。
「 紅茶は渡しませんよ。水飲んでください 」
わたしがそう言うと、兵長は水を飲んだ。
ようやく納得してくれた、と安心し
カップを置こうとしたが思い直し
紅茶を飲み干した。
リヴァイ兵長の驚いたような表情が目に入る。
「 これで紅茶は飲めませんね 」
一気に飲むのは少し辛かったが
兵長が眠れなくなるよりはましだ。
目の前にいる寝不足であろう人を
これ以上寝不足にする必要はない。
兵長は静かにため息をつくと
立ち上がり、こっちに近づいてくる。
何をされるのかと不安に思い、思わず目をつぶると
私の頭に手を乗せてきた。
驚いて目を見開く。
そして、髪の毛を乱すと
「 お前もさっさと寝やがれ 」
と部屋から出て言った。
乱された頭をおさえ、兵長が出ていった後も
扉を見つめ続けた。
冷たいと思っていた手のひらが
意外にも暖かかったせいか
心臓が少しだけ音を立てた気がした。
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ガール - 最高過ぎます！ (2018年9月16日 19時) (
レス) id: 9eb3ea7897 (このIDを非表示/違反報告)
?.ﾟ織姫のゆーな(プロフ) - 雨屋まほろさん» わわ、コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです…。声が聞こえてナイフを手に取るシーンは前々から書いてみたいなと思っていまして、そんな細かいところまできちんと読んでくださるなんて励みになります。本当にありがとうございます！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: caa1caa173 (このIDを非表示/違反報告)
雨屋まほろ(プロフ) - 進撃の夢小説でこんなにも心をうたれたのは久しぶりです。気の利いたコメントはあまり書けないので一言で言わせていただきますと、めちゃくちゃ面白いです……声が聞こえてきてナイフ手に取るシーンがとてつもなくよきです…… (2018年7月25日 22時) (レス) id: 83522f25c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：?.ﾟ織姫のゆーな | 作成日時：2018年7月25日 0時
