・ このまま で 、 ページ5
『 一二三 の 記憶喪失って 治るんですか … ? 』
震える声で 先生 に 聞いてみた 。
「 治せない 事は 無い … よ 、けれど 私は このまま でも 一二三 君 の 為には 良いと 思っている 。 」
何を 言っているんだ 、と 一瞬 思うが 先生 の 真剣そうな 表情 に ふざけている のでは 無い んだろう と 分かる 。
「 一二三 君 は 恐怖症 で 酷く 苦しんで いた 。それなら このまま 恐怖症 の事を 忘れて 生きて いった 方が 一二三 君 の為 、なんじゃないかな 。 」
と 複雑な 表情 で 言う 。
『 … そう … かもしれない です 、ね 。 』
不安と 、寂しさと 、悲しさと 、如何して 一二三 が こんな目に なんて 思いと 、これで 良いのだろうか なんて 気持ち と 。
色々 混ざった 掠れた 声で そう返す 。
「 何方にせよ 、一二三 君 の 記憶を 取り戻せる のは Aさん だけ だと 思う よ 、 」
そう 言って 先生が 病室 から 出て 行った 。
その 瞬間 私は 糸が ぷつり と 切れた 様に 泣いた 。
一二三 の 心配 そうな 表情 なんて 見ないフリ をして 。
『 一二三 の事 、忘れないよ … 』
敢えて 目を合わせて 言った 私は 涙を 拭いて 病室 を 出た 。
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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年2月19日 17時