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「先生、」
Aの声が聞こえた
パッと顔を上げれば、Aがプリントを持って
机の隣に来ていて
「採点ミスです」
震えるように、俺に言った。
その声に怯えながら
俺は教師だ、俺は教師だ
あいつは生徒だ、あいつは生徒だ
そう何度も繰り返し
「何処だ…」
そう言おうとしたとき
―― キーンコーンカーンコーン
無情にチャイムが鳴った。
プリントを握る力が強くなる。
そして、久々に近いAの存在を意識して
「後で、準備室に取りに来い」
あの時と同じように、口が勝手に動いていた。
見開く目、そして伏せる瞳
「解散」
そう俺が言えば
一斉に動き出す室内
だけど、こいつは
こいつだけは
俺の前から離れず、ひたすら俯いていた。
「どうしたんだよ」
俺の問い掛けにも返事をしない、
かといって放っておくわけにもいかない。
「おい、しんどいなら保健室に…」
「大丈夫です」
返事をした彼女は、泣きそうな顔で笑っていた
俺の胸を苦しめるように
締めつけるように
苦しく、切なく、笑っていた。
走るように俺の視界から消えるA
それがとても寂しくて、辛くて
「…先生？」
気がつけば、無意識にAの腕を掴んでいた
何だこれ
もう、俺末期じゃねえか
だいぶ重症じゃねえか
『たまには、立場忘れてみたら？』
ルハンの言葉が、頭を回る。
「先生？」
心配したように、もう一度俺の名前を呼ぶ声が聞こえた
意識が今に戻る
「…あ、ごめ」
手を離し、その場を立ち去るように教室を出た。
職員室のドアを閉めると
「やっべ……」
俺の独り言が、小さく響いた。
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IRa(プロフ) - さくみんさん» レスありがとう！読んでくれてありがとうね。そろそろるうちゃんのお話を書こうかなーなんて考えてます。笑ショウタイムもう一回して欲しいな…なんて考えてます。笑 (2014年3月27日 0時) (
レス) id: 254cfcd45f (このIDを非表示/違反報告)
さくみん - 読みました！！カイ君、生物か数学っぽい！白衣やばいわwるぅの憂鬱、感情移入しちゃったよ・・・。もう、切なすぎる！今回もiraおんに独特の世界観でした！そして、カイヨル！estでもやばかったもんね！ちゃに、やばい・・・。 (2014年3月13日 22時) (レス) id: f0528f3edf (このIDを非表示/違反報告)
IRa(プロフ) - 美優さん» ありがとう！いつも励みになってる~~ また書けるように頑張るね~~ (2014年1月25日 13時) (レス) id: 422890ccf1 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - この作品も本当に楽しかったよ！！ほんとに、素敵な時間をありがとう！これからも小説、楽しみにしてます！ (2014年1月23日 13時) (レス) id: 5c50b9abe2 (このIDを非表示/違反報告)
IRa(プロフ) - さらさん» そんな勿体ないお言葉TT ありがとうございます~~ 読み進めていただきありがとうございました！これからもどうぞ、宜しくお願いしますね~~ (2014年1月23日 10時) (レス) id: 422890ccf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：IRa | 作成日時：2014年1月15日 18時
