3章 限界を越える試練 ページ11
あの後、大量出血で立ち上がれなかったので弟におぶってもらった。
「重いと思います。下ろしてください。」
「嫌、ダメだね。重くねぇよ。」
怪しいけど、甘えるしか無さそうだった。
辺りはすっかり暗くなって、街灯が明々と住宅街を照らしていた。
眠たくて目をつむると、仗助が口を開いた。
「A……まだ昔のこと、気にしてんのかよ。」
「……いいえ、と言えば嘘になりますけど。」
昔のこと……
私がスタンドを使えなくなったワケが、そこにあった。
小学校4年生の頃……
5時間目の図工の時間だった。
「い¨っ!先生…!指、カッターで切っちまった!!」
その時、弟の指からは少量の血が滴っていた。
「えーっと、保健係のAさん、連れていってあげて?」
「馬鹿……。」
私は弟を連れて保健室へ向かった。
私たちは『スタンド』を出始めて少し経っていたので遊んだり、怪我を治すときに使っていた。
それがいけなかったんだ。
「ねぇ、Aの分身で治せねぇの?これ!」
仗助はキラキラと目を輝かせて聞いてきた。
「一応出来ますが……。保健室へいった方が良いのでは……。」
「嫌だ」の一点張りで我が儘を言うジョウ助に「しょうがないですね……。」と言い、私はスタンドを出した。
「エテルナ……傷を。」
私はまだ『スタンドを制御』出来る精神を持っていなかった。
弟の手はバックリ割れ、血が勢いよく天井へ吹き上げた。
「う……あっ!!い……痛ェッ!」
「……!?じょう……すけ!!」
エテルナは『痛みを20倍』で保存し、放出したため弟の手を割ってしまったのだった。
怖かった。
自分のせいで救急車で運ばれる弟。
苦しそうに顔を歪めていた。
「ごめんなさい……。」
29人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うゆ@uyu(プロフ) - 勉強は許可しないィィィ!!! (2021年11月16日 17時) (レス) @page9 id: e2f46f9938 (このIDを非表示/違反報告)
初流乃 - わ、お気に入りが!!21人の方に!?ありがとうございます (2017年3月21日 11時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
初流乃 - お待たせして、すみません!りんりんさん、応援ありがとうございました。無事、公立に合格しましたので、更新していきます! (2017年3月21日 11時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 受験頑張ってください!!p(^_^)q更新楽しみにしています!! (2017年1月14日 18時) (レス) id: fc8b7667f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 受験頑張ってください。応援してます!! (2017年1月13日 9時) (レス) id: fc8b7667f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:初流乃 | 作成日時:2016年12月12日 14時