3章 限界を越える試練 ページ10
「やった……のだろうか……。」
背中の傷からゴボゴボと出血が止まらない。
目の前にアンジュウロウ(後に聞くアンジェロ)が倒れている。
体がビクンビクンと跳ね、血を流して....死んだ。
「コイツを殺すのに罪悪感は無かったけど……。警察に捕まらなければいいな、ハハッ。」
大量の出血のせいで足に力が入らず、膝から崩れ落ちた。
冷えた地面に顔をつけて血の流れる感覚を味わう。
突然、胃の中から何かが戻ってくる感覚がし、咳き込んでみると、赤い液体が綺麗に舗装された道路に散った。
「う……あ、まだだ……。意識があるうちに……。」
校則なんて全く無視した、短い黒のスカートのポケットから自力で携帯電話を探し出し、震える指で番号を打った。
トルルルルルル………
トルルルルルル………
掛かってくれ……。
もう………意識……が。
『もしもし、空条だが。Aか』
「承太郎………さ…… 」
声が出ない。
出そうとすると、背中の傷がまだ裂けていく感覚がする。
ジャリッ……
砂を蹴る音……
誰か、来た………のか?
『おい、A!どうしたッ!?』
携帯電話から、承太郎さんの焦った声が聞こえる。
あと少し…なのに……ッ。
「Aッ!!何やってんだーッ!」
じょう……すけ…だ。
「クレイジー・ダイヤモンドッ!!」
ジョウ助はスタンドで、私を元通りに治した。
『A!?』
「す、すいません、大丈夫です。あの、例のスタンド使い。朝のあの男、始末しました。」
『それは本当か!?情報を喋るんじゃあねぇかと思っていたが………。』
私は承太郎さんに『私が現時点で話すことのできる限りの情報』を全て話した。
「すいません、勝手に。死体は……ジョウ助が岩へ……はい。失礼します。」
「電話、終わったのかよ……。」
「え?あぁ、はい。私が殺っちゃったせいで凄く話がややこしくなりましたが……。」
その時、微かに弟の目がこっちを見たとき…
物凄い悪寒がした。
ゾクッと背筋が凍るような。
「たくよぉ、A。あんまり心配させんじゃあねぇよ。ほら、お袋が待ってっからよー、帰るぜ。」
29人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うゆ@uyu(プロフ) - 勉強は許可しないィィィ!!! (2021年11月16日 17時) (レス) @page9 id: e2f46f9938 (このIDを非表示/違反報告)
初流乃 - わ、お気に入りが!!21人の方に!?ありがとうございます (2017年3月21日 11時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
初流乃 - お待たせして、すみません!りんりんさん、応援ありがとうございました。無事、公立に合格しましたので、更新していきます! (2017年3月21日 11時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 受験頑張ってください!!p(^_^)q更新楽しみにしています!! (2017年1月14日 18時) (レス) id: fc8b7667f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 受験頑張ってください。応援してます!! (2017年1月13日 9時) (レス) id: fc8b7667f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:初流乃 | 作成日時:2016年12月12日 14時