六 ページ6
「Aさん、Aさん。」
佐野君が、戻ってきた。
「はい。」
「夕飯まだですよね？良かったら、行きませんか？」
高校生に、誘われてしまった。
「正門くんって、カフェをやってるんですけど。夜は、ジャズバーになるんです。今日は定休日なんですけど、集まるならそこがちょうど良いので。」
お店、休みなら申し訳ないな。
なんて、思いながらも、空腹には勝てず佐野くんの後ろをついていく。
石段を降りて、左を曲がると、古めの古民家に、お洒落な看板がかかっていた
『Cafe きつね火』
狐の形をした、『本日 定休日』の札も掛かっている。
「連れてきましたよー！」
躊躇なく、引き戸を開けた佐野くんの後ろから恐る恐る店内を除くと、バーの中から、正門さんが慌てて出てきた。
「Aさん！ああ、良かった。さっきは本当にすんません。誠也くんも悪気があった訳やなくて。」
困った顔で謝る正門さんに、何も言える訳もなく。
「あの、大丈夫です。全然。」
「お腹空いてますよね？良かったら、食べてってください。」
カフェの真ん中に置かれた机には、美味しそうな料理がいくつも並べられていた。
「良い匂い...」
「たいしたもんやないですけど。」
「あの、正門さん。」
「はい？」
「その、私、お話を聞きたくて。」
「そうですよね、そりゃ、そうや」
正門さんの、笑顔は、少し夢で見たお父さんに似てる気がして
「でも、まずは、食べませんか、夕飯。」
6つの椅子が置かれた、テーブル。
佐野くんは、すでにキラキラした目で食べる準備完了って感じ笑
「いただきま「「まっさーん！！！！」」
元気よく開けられた引き戸から顔を出したイケメン２人は、私を見ると、数時間前の誠也さんみたいにぱあっっと表情を綻ばせた
「「孫やー！！！」」
いや、私、孫って名前じゃないんだけど.....
でも、あまりにも嬉しそうな目の前の２人を前に
私の疑問は、さらに膨らむばかりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 703人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい(プロフ) - めっちゃおもしろいです！続きが気になります！最後まで読んでみたいです！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: aa225a9070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しく見させて頂いてます！無理ない程度に更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月20日 4時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - この作品の雰囲気大好きです。更新楽しみにしてます！ (2020年6月13日 2時) (レス) id: f8b6f2c6d6 (このIDを非表示/違反報告)
イロ(プロフ) - 更新ありがとうございます！こちらのお話大好きです、主様のペースでこれからも更新楽しみにお待ちしております^_^ (2020年4月21日 1時) (レス) id: 05f88c51dd (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話すごく面白いです！！続きが気になります(*≧∀≦*)更新待ってます！！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雫 | 作成日時：2020年2月4日 23時
