十三 ページ13
「ごめんくださーい。」
「あ！りちゃや！！！」
私が作った、普通の朝ごはんを美味い美味いとバクバク食べてくれた誠也さんに対する恐怖心は、気づいたらすっかり無いものになっていた。
スーパーで買ったみかんを、２人でパクついていたら、聞こえた知らない声。
りちゃって事はリチャード君か
「こ、こんにちは。」
「あ、朝からすんません。一昨日東京から来はったって言うんは、知ってたんですけど、挨拶すんの遅れちゃってすんません。草間リチャード敬太言います〜。あ、これ千枚漬け。どうぞ〜」
イメージの100倍流暢な日本語....。
「わ、わざわざすみません！えっと健三の孫のAです！」
「健三さんにはお世話になってましたー、Aちゃんもどうぞよろしくなぁ。」
そして、めちゃくちゃ常識人っぽい。
「りちゃ！俺のはんばーがーはどこや！」
「あ、なんや来てたん。女の子の家に上り込むなんて図々しいでー。」
「うっさい！こいつが飯食うか！って言うたんや！！」
リチャード君と誠也さんの会話はまるで反抗期の中学生とお母さんみたい。
人は見た目によらないと言うのはまさにその通りで、強面な見た目から想像もできない細やかな心遣いに、私の警戒心はあっという間にどっかに飛んでった。
リビングにリチャード君と誠也さんと３人で腰掛ける
「なるほどねー、アホ二人と同じ大学なんや。ほんならなんかあっても安心やな。」
「なんかってなんですか？」
「んー？まあ、この街にはいろいろおるからねー。俺らみたいなんは珍しいから。悪い妖怪らに狙われんように、気をつけるんやで」
リチャード君から突然告げられた衝撃の事実に思わず面食らう
「狙われるって、その、何を。」
「んー？まあな。本来、異界と人間界は交わってはいけない2つの世界やから。人間と妖怪がが仲良くやっとんのが気に入らんやつらは大勢いるからな。まあ、神社の近くにおれば、結界の中やから、平気やけど。」
「その、悪い妖怪って、その人間を襲うんですか。」
「おい、りちゃ。あんまり怖がらせたんなよ。」
「Aちゃん、ほんまに何も知らされてなかったんやなぁ。」
思案顔でこちらを見たリチャード君の表情に、消えていたはずの恐怖心がまた顔を覗かせる
すっかり静まり返った部屋の中
突然鳴り響いた鈴の音が沈黙を切り裂いた。
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ゆい(プロフ) - めっちゃおもしろいです！続きが気になります！最後まで読んでみたいです！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: aa225a9070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しく見させて頂いてます！無理ない程度に更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月20日 4時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - この作品の雰囲気大好きです。更新楽しみにしてます！ (2020年6月13日 2時) (レス) id: f8b6f2c6d6 (このIDを非表示/違反報告)
イロ(プロフ) - 更新ありがとうございます！こちらのお話大好きです、主様のペースでこれからも更新楽しみにお待ちしております^_^ (2020年4月21日 1時) (レス) id: 05f88c51dd (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話すごく面白いです！！続きが気になります(*≧∀≦*)更新待ってます！！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年2月4日 23時
