三 ページ3
「..すみません、スーツケース運んでもらっちゃって。」
「いえいえ、良いんですよ。あ、楽にしてくださいね。って俺が言うのもおかしいか。健三さんのお孫さんなら何回も来たことありますもんね。」
女性に重い荷物は運ばせません！なんて甘いセリフと共に、結局社務所まで私の重いスーツケースを運んでくれた、正門さん。
はぁ、なんかこう。
リア恋度が凄い.....。
「あ、あの。」
まずは、お礼を言わなきゃ。
「その、ごめんなさい。本当なら、お葬式とか、お墓とか、全部そういうの、私とかお母さんがやるべきなのに。」
「いやいやいや、本当に気にせんといてください。健三さんの遺言ですから。」
『遺言状』
そう書かれた白い紙を正門さんはそっと私の前に置いた
そこには、後の片付けなどは全て友人達に任せること
葬式は必要ないこと。
火葬した後、灰は神社の裏山に撒いてほしいこと。
この中にある『友人達』と言うのが正門さんの事なんだろうけど。
やっぱり気になるのは。
「あの..その、正門さんとおじいちゃんってどういう関係で？？」
「昔、お世話になったんです。祖母が。」
「正門さんのおばあさんが？」
「はい。人間に恋をした祖母と、祖父の間を健三さんが取り持ってくれて。」
え？
人間に恋をしたって、なんか変な表現だな。
もしかして、正門さんってちょっと天然？
真面目な顔で、天然発言をサラッと言った正門さんがおかしくて少し笑ってしまった。
「ん？俺、なんか変なこと言いました？」
「え、いやっ、ごめんなさい。だって人間に恋をしたって、そりゃ人間だろって思っちゃって笑」
「え？」
「え・・・？」
正門さんのキョトン顔
からの真面目な顔
「あのー、Aさん。」
「はい。」
「Aさんって、この街の事知らないんですか。」
「三葉町の事ですか？何を？」
そうすると、正門さんは何を思ったのか、いきなり窓を開けて、裏山に向かって叫んだ
「誠也くーん！おるー？？」
すると途端に吹き荒れる突風。
落ち葉を吹き上げて、社務所の中にもヒラヒラと入る。
「なんや。」
現れたのは、美しい金髪と、鮮やかな赤の着物を纏った青年だった。
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ゆい(プロフ) - めっちゃおもしろいです！続きが気になります！最後まで読んでみたいです！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: aa225a9070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しく見させて頂いてます！無理ない程度に更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年7月20日 4時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - この作品の雰囲気大好きです。更新楽しみにしてます！ (2020年6月13日 2時) (レス) id: f8b6f2c6d6 (このIDを非表示/違反報告)
イロ(プロフ) - 更新ありがとうございます！こちらのお話大好きです、主様のペースでこれからも更新楽しみにお待ちしております^_^ (2020年4月21日 1時) (レス) id: 05f88c51dd (このIDを非表示/違反報告)
いちごぷりん - このお話すごく面白いです！！続きが気になります(*≧∀≦*)更新待ってます！！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 39651266d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2020年2月4日 23時
