聞こえますか、この声が。 (ページ3)

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ep.3 ページ3

俺らが暮らす、独裁国家『オオサカ』は100年前は国やなくて、普通の街だったらしい。

地下に張り巡らされた下水道は、その名残なんやと誰かから聞いた事がある。

下水道は、もう何十年も使われてないから、隠れ場所としては最適なんやな。

そんなことを思いながら4人の後を追うと、4人の歩みが止まり、下水道のある一角にたどり着いた。

下水道の壁に隠れた古びた木のドア。通り過ぎただけでは、薄暗い下水道の中では、一見ドアだとわからない。

そこを開けると、中には広々とした空間が広がっていた。

「ようこそ、俺らのホームへ。」

そう言ってフードを取った4人は、意外にも俺らとそんなに年が離れてない感じがした。

「俺が、西畑大吾。」

そう言って笑った小柄な青年は、さっき俺らについておいでって言った人。

「俺が藤原丈一郎やで～。」

丈くんって呼ばれとった人がこの人か

「俺、大橋和也。よろしくな！これでも、一応リーダーなんよ。」

そう言って、にぱっと笑った童顔の人は一番優しそう。

「俺が、大西流星。この中では一番年下。」

くりっとした目をした人は、俺らと一番年が近そう。

「あの、ひとつ聞いてもええですか。」

「何？」

「あんたらって、何者なんすか。」

「俺らの名前知ってたのはなんでですか？」

俺の問いに、みっちーが付け加える。

「レジスタンス。」

そう言うと、大吾さんはニヤッと笑った。

「この世界、ぶっ潰したい奴らの集まりやで。」

「ハハッ、カッコええやん大吾。」

「ちょっと、カッコつけすぎやわ、大ちゃん。」

「新入りかー、楽しみやね～。」

笑い合う4人をよそに、俺ら3人は固まっていた

レジスタンス。

それは、大いなる権力に抗う者の総称。

そして、独裁国家『オオサカ』で、その存在はないものとされている。

なぜかって？

歯向かう者には死が待っとるからや。

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『恭平、いいことを教えてやろう。』

『何、爺ちゃん？』

『この世界はな、嘘ばっかりなんや。』

『どういう事？』

『お前にもいつかわかる。でもな、恭平。

選択を迫られた時はな、人の役に立つ方を選ぶんやぞ。』