△私が困る ページ2
「7度8分…これは完全に熱ですね」
困った表情で椅子に座っているエーミールさんをベッドの上から見上げた。私の体は重く、関節に鈍い痛みが走り、頭がぼんやりしている。やっぱり熱だったのか…情けない。
私はエーミールさんの護衛であり、常に彼を護る為に動かなければならないのに。
「すぐ私の電話に出ないと思えばこのザマですか。まあ、厄介ごとに巻き込まれてなくて何よりです」
体温計を側に置き、エーミールさんは椅子から立ち上がった。
「台所お借りしますよ。今からあり合わせのもので食べれそうなものを作るので待っていてください」
「はい…」
特に何もない天井をぼんやりと見つめているうちにエーミールさんが卵が混ざった粥とお水を運んできてくれた。
お礼を一言言ってからスプーンを手に取り、一口分のお粥を掬い取ろうとしても体は言うことを聞いてくれない。スプーンが鉛のように重く感じ、自分の口までうまく運べないのだ。
その様子を見ていたエーミールさんは私からスプーンと器を奪い取り、掬った粥に優しく息を吹きかけてからスプーンをこちらに向けてきた。
「何を驚いているんですか。早く口を開けなさい」
「は、はい…っ」
少し恥ずかしかったが、エーミールさんによって運ばれた粥を一口食む。口内にふんわりと卵の優しい味とだしの効いた味が広がり、美味しさのあまり笑みがこぼれた。
「おいしい…！」
「でしょう？」
料理には自信がありますからね、と誇らしげに笑うエーミールさん。
その後も少しずつ粥を食べ進めていき、最後の一口まで残さず食べると子供をあやすような手つきで頭を撫でられた。その感触に安心感を覚える。
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野菜(プロフ) - 冬のみかんさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！これからも「好き」と言っていただけるようなものをお届けできるよう2人で頑張りますね！ (2022年1月28日 9時) (
レス) id: 27822127af (このIDを非表示/違反報告)
冬のみかん - 初コメ失礼します。いつも見させていただいています！本当に好きです！これから続編の方でも頑張ってください！応援させていただきます！ (2022年1月28日 3時) (レス) @page2 id: b5169bd6bc (このIDを非表示/違反報告)
青条(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます！イラスト素敵ですよね！お話読んでくださってありがとうございます。頑張って制作して参りますので気長にお待ちください……！ (2021年10月29日 21時) (レス) id: 3b14859680 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - ぇイラストかっこよ。お話だけでも最高なのに!これからも作者様のペースで頑張ってください! (2021年10月29日 19時) (レス) id: 00420758bc (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - ラグさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 5520a4b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
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