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あの日、教授に背中を押して貰えたおかげで自分の素直な気持ちを両親に打ち明けられた。
母は最後まで反対していたけど、父が…
父「この子の人生なんだ。好きなようにやらせてあげたらどうだ？この子だってもう子供じゃないんだ…いづれ大人になって社会に出て色んな世界を知る。本の中の知識だけじゃなくもっと外の世界を見せてあげるべきなんだよ私達親はね」
そう言ってくれた。
その言葉のおかげで、文系の大学に進むことになった。
そして卒業式の日
咲き始めの桜と優しい春の風
薄暗い図書館
もうこの場所とも今日でお別れ…
当然あの人とも…
だから最後に私なりの告白をしようと思う。
あの人のお陰で今がある。
あの一瞬で恋に落ちるなんて思いもしなかった。
でも、ちゃんと好きなんだってわかる。
ガラガラと扉が開く音と靴音が聞こえた。
em「Aさん、来ましたよ？」
『エーミール教授には沢山お世話になりました。本当にありがとうございます…』
em「いえいえ。教師として当然の事をしたまでですよ！」
例え1生徒としか見られていなくとも…
『これ、受け取って貰えませんか？手紙を私なりに書いてみたんです…』
遠回しな言葉だけど…
em「ありがとうございます。今読んでも？」
『はい』
有名な文豪も使っていたあの言葉…
封を開けられ1枚の手紙を取り出す教授。
そこに書かれているのはたった1文
��月が綺麗ですね��
『それじゃあ私はこれで…今までありがとうございました…』
あの日のように足早に図書館を出ようとした時
エーミール教授が言葉を発した。
em「��このまま時が止まればいいのに��…貴方ならこの言葉の意味わかりますよね？」
それを聞いた瞬間私は踵を返し教授に抱きついた。
『もちろん。もちろんですよ！』
あぁまるで本の中のおとぎ話のような…
こんなにも甘く輝かしい世界があるのだろうか？
涙を流す私におとぎ話に出てくる王子様の様にそっと優しく口付けをされる。
静寂だけのこの場所でたった今ひとつの恋が実りました。
END
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