第1話 春の匂い ページ5
"ここがMANKAIカンパニーの団員寮よ!"
そう案内された建物は、大きく立派だった。
先程廃れているように見えたのは気のせいだったのだろうか。
｢ほら、こっち着いてきて？｣
建物に見とれていると、先輩は既に先に進んでいた。
私は急いで先輩の後を追い、玄関まで辿り着いた。
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｢監督、その子供何？隠し子？俺に隠れて浮気して他の…?｣
寮に入り談話室とやらに着いた瞬間、首にヘッドホンを掛け、制服を着たメッシュの男の子に質問攻めに合う先輩。
さっきまで｢さあ入って｣『お邪魔します』｢違うでしょ?｣『えっ?』｢今日から貴女の家になるんだから《ただいま》でしょ?｣『…た、ただいま…です…』｢うん、おかえりなさい｣なんて何処かのアニメの様なやり取りを玄関先でしていた時の雰囲気を返して頂きたい。
あと今子供言ったかな??ん??私19歳なんだけどなぁ??あっ若しかして身長から判断した?ならば宜しい戦争だ。
｢真澄君、先ず付き合ってすらないでしょ｣
真澄君と呼ばれたその男の子は、｢なら付き合って｣と先輩に言うが先輩は｢却下｣と即言う。
先輩は私に向き直り、
｢改めて紹介するね。ここがMANKAI団員寮で、私はMANKAIカンパニーの主宰兼総監督をしてます、立花いづみです。また宜しくね、Aちゃん｣
にこっと微笑み、私の前に手を出す先輩。
｢えっと…宜しくお願いします、いづみ監督!｣
私も手を出し、握手をする。
その刹那、
｢監督!若しかしてその子が言ってたマネージャー候補の子ですか?｣
赤髪の子と
｢ちっちゃいっすね…妹みたいっす｣
茶髪の兄貴質の子と
｢へ〜ちっちゃいですねー！｣
髪の毛ボサボサなメガネの人が来た。
.
.
『｢｢｢頂きます｣｣｣』
皆、目の前のカレーを食べ始める。
…うん、やっぱりいづみ先輩のカレーは絶品だ。
市販の固形ルーなんかとは比べ物にならない。
『なんか、久し振りにまともに御飯を食べた気がします』
｢ちゃんとご飯食べてくれてよかった、殆ど口にしてないって聞いてたから…｣
『心配掛けてしまってスミマセン…とっても美味しいです』
何故いきなりご飯になったかと言うと、時間だからって言うのもあるが、急にいづみ先輩がご飯作ってくるから待ってて!とキッチンに立ったからだ。
きっと、私の事を心配して…
本当に、良い先輩だ。
To be continued…
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摂津至 - 凄く面白かったです！続きが楽しみです！更新頑張って下さいね(*^^*) (2018年3月10日 20時) (
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作者名：じぇま | 作成日時：2017年7月27日 2時
