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「じゃあなんで連れてきたの？」と尋ねる小南に、Aはニヤッと笑って答えた。「桐絵ちゃんのいいお友達になると思って」、という言葉に小南は慌てて反論する。
口論を見ていると、やはり大人なだけあってAの方が上手だ。小南は自分が言ったことで自分の首を締めているし、何より翻弄されている感じが否めない。迅は紅茶の最後の一口を飲み干し、その様子を静観した。
「あ、悠一君おかわりは？」
「いや、大丈夫だよ。ありがとう」
「……ていうかAさんてば、勝手に連れてきていいの？ 城戸さんたちがまたうるさくなるわよ」
小南の意外と冷静な一言が入る。Aは曖昧に笑って、「今回はちゃんとした事情があるからいいんだよ」とばつが悪そうに言った。どうやら、許可も取らずに迅を受け入れたらしい。この人はしっかりしていそうでずぼらなところがある。
一刻も早く迅を追い出したい小南の追及から逃れるように、Aは「最上さんは今日来るって？」と言った。
迅は考えた。Aは自分に会えるようにと言ってここを紹介してくれたが、この感じだと他に目的がありそうだ。そしてそれは、迅のためであるらしいこともわかっている。
「……そういえば、名前を聞いてなかった。アンタ名前は？」
「そういえばそうだったな。これは失礼、迅悠一だよ。よろしく」
「んじゃ、迅。あたしと戦いましょ」
「えっ」
小南の誘いに驚いたのは迅ではなくAだった。
「桐絵ちゃん、悠一君は一般人なんだよ。君が戦っていい相手じゃない」
「でも最近Aさん相手してくれないじゃない。鈍っちゃうでしょ」
「だからね、……」
「…………いいよ。よくわかんないけど、戦おう」
迅は賢かった。二人の会話の端々から彼女らの所属する組織がどんなものであるか推測でき、さらに視えた未来で実際に迅も小南も刀のような武器を持って向き合っていたから、「戦う」がどんなものか理解している。
迅の推測では、二人は何らかの非公式の組織に所属しており、その存在は一般人には秘密。所属している人数は十人ちょっとと少数であり、その組織は何らかの理由で戦闘を必要とする人々で構成されている。
夢のような話だと迅は馬鹿らしく思った。しかし迅には、不思議な格好で、不思議な武器を振り回して、人間とは思えない動きで小南が迅を圧倒する未来が視えていた。迅は自分の推測に自信を持っていないが、予知には自信があった。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
