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わたしたち大人が参戦するのは構わないさ。わたしも城戸さんも、最上さんも忍田さんも林藤さんも風間さんも、覚悟なんてとっくのとうにできている。
でも、問題は子どもたちの方にあった。戦争という場に子どもを連れ出すのは断固反対派のわたしと、子ども(特に戦闘力トップの桐絵ちゃんと未来視の悠一君)は貴重な戦力である派の城戸さん。論戦は長引いたが、途中参戦したレイジ君の「俺は何もしないで待機するほうがいやです」という言葉が決め手となり、全力で子どもたちを護ることを条件に連れていくことに決定した。
「状況はどうだい」
「膠着状態。もういつ火蓋が切られてもおかしくない。ここで悠々としている間にも、誰かが死んでいるかもしれない……」
「うん、でも今すぐ戻るわけにもいかない。あと三日、大人しく待ってよ」
「わかってる」
参戦するならばトリオンの補給などそれなりの準備をしていかなければならない。カティがこちらに来たのはその手伝いのためだ。また、現ボーダーの二十人が全員ボーダー所有の遠征艇に乗れるわけではないので、数人ずつで分かれるように迎えに来てもらったのだ。
タバコの毒に塗れた息を吐くと、カティが顔をしかめた。「その匂い、どうにかならないか」と言うのはいつものことなので、わたしは軽く笑って受け流す。そういえば悠一君も最初、この匂いが苦手だったっけ……今ではもう慣れてしまったようだけど、と少し思う。
子どもたちが将来タバコを嗜むようになったなら、迅さんや小南さんに恨まれちゃうな……。やっぱりタバコは控えよう、と考えて、火をもみ消した。
そうしていると、ベランダの戸が開いた。
「Aさん、夕飯だそうです。……カタリナさんも」
「あ、ありがとうレイジ君。すぐ行くよ」
「…………」
相変わらずわたし以外には不器用なカティの頭をポンと叩き、「返事くらいすればいいのに」と意地悪く言えば、カティはばつが悪そうに「必要がない」と返した。
「ごめんねえレイジ君、悪く思わないでやって」
「いえ、大丈夫です。今日は小南も来ているので、早く来てください」
「そりゃ早く行かなきゃだね。……カティ、あとでここに持って来ればいいね？」
「ああ」
カティはどうも城戸さんたちと折り合いが悪く、夕食を共にすることすら厭う。桐絵ちゃんとは犬猿の仲と言っていい。
まったく手のかかる親友を持ったものだと、わたしはレイジ君のあとに続きながら小さく笑った。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
