黒の悪魔 １３ ページ3
〔gr視点〕
1年前、俺達がいた見世物小屋が解体される日。
自分で言うのもあれだが見た目が整っている方だった俺には買い手の申し出が多かった。
何人かとは顔を合わせたこともあったが、皆俺の瞳の特徴を知ると
「気持ち悪い」
「これが悪魔か」
「呪われてしまいそう」
と口々に申し出を下げた。
そんな中、俺を利用しようと買い上げたのは国の機関。
もちろん公の動きではなく、裏の一部の人間によるものだったがな。
買われてからは酷いものだった。
毎日誰かの恨みや欲の捌け口にされた。
そうでない時はショーケースのような物に閉じ込められていた。
自由など無い。
小屋に居た時も酷い生活を送ってはいたが、仲間がいた分まだ幸せだった。
(また会いたい)
今日もよく知らない外国の女の相手をさせられていた。
(ああ、例えばこの扉から嘗ての仲間が現れて、全てを壊してくれたなら。)
儚い妄想であることはわかっている。
第一、俺の情報もこの女が泊まっているこの場所も公表されていないのだ。どうやって見つけろというのだろう。
俺を殴り、薬で無理矢理たたせられているモノを満足そうに咥え込むこの女は何を考えているのか。
痛みも、快感も、何も感じない。
(早くこの地獄を終わらせてくれ。)
ただの淡い願望だった。だが、
ボンッ！という音が聞こえ、扉が開き、白煙が部屋に流れ込む。
煙が晴れ、そこから姿を現したのは
嘗ての仲間と見知らぬ少女だった。
「な…！お前達どうしてここに、」
驚いていると俺の上にいた女が退き、壁に向かって歩いて行った。
会えないと思っていた仲間達との再会はとても喜ばしかった。しかし、それ以上の懸念事項がある。
「トン氏？誰だソイツは。
というか何をしに来た。どうやって来た。何故ここにいる？」
思いついたことが全て口に出る。
瞳の色が変わらぬよう努めて冷静に話そうとするが、一度出た言葉は熱を持ちその熱に釣られるように気分が高揚していく。
どろりと瞳の色が変わる感触。
この場に似つかわしくない少女が俺の瞳を見つめていた。
どうせこいつも「気持ち悪い」とほざくのだろう。わかっている。さっさとどこかへ行ってしまえ。
そんな思いに反して、少女の口から出たのは予想だにしていない言葉だった。
「綺麗」
ひどく澄んだ目。
ああ。彼女はもしかしたら、
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ウラシル@ひぃ(プロフ) - パピコさん» シンプルな告白嬉しいです。ありがとうございます！はい、頑張りますね。 (2019年5月26日 21時) (
レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 夜？さん» 初コメありがとうございます。大好きと言って頂けて嬉しいです。ご期待に添えられるよう励んでいこうと思います。 (2019年5月26日 21時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 初コメかはわからないですけど言いたいことがあります。….......好きです、頑張ってください (2019年5月26日 19時) (レス) id: 3cb2acd302 (このIDを非表示/違反報告)
夜？(プロフ) - 初コメ失礼します…私このお話大好きなんです！続編がいっぱいあっても嬉しいです!!なので主さんのペースでだんだんこのお話を進めて頂ければと思います！楽しみにしてますね！ (2019年5月26日 13時) (レス) id: 2a93bfb216 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 千歳さん» ありがとうございます。ショッピさんは上手く書けているか不安だったのでそう言って頂けて安心しました。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月4日 20時) (レス) id: 7875aff6bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウラシル@ひぃ | 作成日時：2019年3月9日 22時
