黒の悪魔 １２ ページ2
「あ、後で何があったのか説明してね！？」
先に部屋に入った4人に声を掛ける。
廊下の煙が室内にまで流れ込み、様子が上手く窺えない。
ひたすらに響く女性の嬌声と、肌と肌がぶつかり合う音。
女性は喘ぐ合間に何か叫んでいるようだったが、英語ですらないそれを聞き取ることはできなかった。
女性はこんなにも艷声を上げて激しい情事であることを伝えているにも関わらず、男性側の声は一切聞こえない。
まるで1人で激しく自慰に耽っている様にさえ聞こえた。
煙が晴れ、視界が開ける。
目に入ってきたのは、異国の女性が見目麗しい男性の上に跨り殴りつけながら男を貪っている姿だった。
女の顔は愉悦に醜く歪み、男性に噛み付き殴りつけ、貪欲に快楽を得る。
男性は何も感じていないのか、まるで人形のような冷たい青の瞳で醜く踊る人間を眺めていた。
「グルさん！」
「グルッペン！」
「グルちゃん！」
3人の声が重なる。
ゾムは私の傍で醜聞を撒き散らす女性を低く唸りながら睨み付けていた。
女性の下にいるだけだった男性は、その声を聞き漸く瞳に感情を宿した。
「な…！？お前達どうしてここに、」
「待ってな。今グルちゃんの上に居るソイツ退かすから。」
大先生がバサリと羽を動かすと、より濃くフェロモンが香った。
こちらに気づいた女性が何かを言っていたがその香りを吸い込むとフラフラと何も無い空間へ歩きだし、壁に向かってカクカクと腰を振り出した。
私も正気を保つのに必死だ。ちょっと気を抜くと大先生にしなだれかかりそうになる。
正直言って正気でいる必要性がわからなくなってきている。
なんで正気でいるんだっけ？冷静でいる必要ってあるんだっけ？
「A、この人がグルさんや。」
トントンに声を掛けられ、理性が戻る。
「はっ！危な…大先生のに充てられるところだった。」
トントンの干渉により、軽い催眠状態から脱却できたみたいだ。
「トン氏？誰だソイツは。
というか何をしに来た。どうやって来た。何故ここにいる？」
起き上がり、捲し立てるように話す男性。
先程までは涼やかな青だったのに、興奮気味に話す口調に応じるみたく、まるで絵の具を溶かしていったかのように赤黒く瞳の色が変わった。
じわじわと広がるその色に心を惹かれ、思わず
「綺麗」
と、声に出してしまっていた。
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ウラシル@ひぃ(プロフ) - パピコさん» シンプルな告白嬉しいです。ありがとうございます！はい、頑張りますね。 (2019年5月26日 21時) (
レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 夜？さん» 初コメありがとうございます。大好きと言って頂けて嬉しいです。ご期待に添えられるよう励んでいこうと思います。 (2019年5月26日 21時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 初コメかはわからないですけど言いたいことがあります。….......好きです、頑張ってください (2019年5月26日 19時) (レス) id: 3cb2acd302 (このIDを非表示/違反報告)
夜？(プロフ) - 初コメ失礼します…私このお話大好きなんです！続編がいっぱいあっても嬉しいです!!なので主さんのペースでだんだんこのお話を進めて頂ければと思います！楽しみにしてますね！ (2019年5月26日 13時) (レス) id: 2a93bfb216 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 千歳さん» ありがとうございます。ショッピさんは上手く書けているか不安だったのでそう言って頂けて安心しました。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月4日 20時) (レス) id: 7875aff6bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウラシル@ひぃ | 作成日時：2019年3月9日 22時
