百九十三歩 ページ38
それよりも先輩が身を預けてくるなんて…天変地異の前触れか。
周囲を顧みず他人に頼るなんてらしくないんだゾ。
｢ど、どうしたんです？｣
｢さ、皿に汚水が…メシマズも美少女展開に変換出来れば王道メシマズネタキタコレで乗り切れるかと思ったけど五感の強制変換が出来るほど甘くなかったしたとえ美少女が作ったとしてもヘドロは無理と言うか何をどうしたらそんな自信有りの顔でそれを出せるのって言うか…そもそも何で拙者が審査員？｣
｢思ったより元気ですね｣
｢何故A氏が審査員やっていないのか｣
あ、顔が怖い。
むっくりと上げた顔が俺を見下ろしてくるんだけど、顔色と目つきのお陰でホラーです。
｢先輩、審査員なっちゃったんですね｣
｢単位をあげるから頼むから出てって学園長が煩くて…別に単位なんて必要ないって言ったんだけど飛行術の授業の出席日数加算するって言うから｣
｢…まさかうちのウツボもそれか？｣
いや、ジェイド君はまだしも…いやいや、ジェイド君が出るならフロイド君もって事か…芋ずる式ぃ〜
｢変わってよ、僕の代わりに審査員やって｣
｢俺が出たら出席日数は稼げないと思いますけど｣
｢どうせ人員不足でしょ？代わり連れてくれば交渉可能かと｣
｢俺にメリットないです｣
｢…この世は地獄か｣
貴方がそれを言うのか。
また項垂れる先輩の背中を摩ってあげる。
優しいから少しは食べたのかな？
元々食は細いだろうから辛かったかもしれん。
｢先輩、今日はもう寮に帰るんですか？｣
｢帰る…今すぐベッドに入ってがけも聴きたい｣
｢ははは…俺も寮に戻るので、鏡舎まで一緒に行きましょう｣
本当に重症やないかい。
頑張ったんだなぁ、先輩も。
オルト君に連絡(先輩に頼んでアプリにオルト君も追加してもらった)をして、ヨロヨロしてる先輩の手を引いて鏡舎に向う。
すれ違う人達が珍しいもの見たって顔をする。
少しずつ震え出す手に先輩をちらりと見れば、今更状況がわかってか顔色が少し良くなっている…寧ろ赤い。
｢あ、あの…A氏？｣
｢はい？｣
｢その、て…手を、｣
｢ふふふ、男二人手を繋いで校舎歩くとか何処のBL？｣
｢わかってて続けるおつもりか｣
｢いいじゃないですかぁ〜俺なんて何時もウツボに担がれてんですから｣
少しはこの辱めを体感せよ、と笑えば、それとは違う、と言われた知らん。
それでも振り払わない先輩の気弱さよ。
本気出せば俺の手なんて簡単に解けるのにね。
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きない(プロフ) - 星猫さん» 弟さんいらっしゃるんですね^^すみません、アニメもあまり見ていないので最近のものはわからないです。 (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 34ae6966a1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 弟のｐｃは貸してくれました。知ってるアニメは何ですか？ (2021年2月25日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きない | 作成日時：2021年2月4日 9時
