番外編:僕と貴方が歩み寄るなら。 ページ31
強制イベントにするなんて酷い…と呟く声が聞こえる。
渡したくなかったとでも言うのだろうか？
まさか嫌々用意したとか？
イデアさんやオルトさんから言われてとか？
｢あぁッ、お前食べるのをやめろガチャガチャ煩い！｣
｢はぁ？知らねーし、こっちに当たんなよ｣
嫉妬とかうぜーとギザギザの歯を剥き出しにして顔を顰めるフロイドに鼻で笑う。
嫉妬って。
そんなもんなわけないじゃないか。
｢折角のイデアさんからのプレゼントが無駄になっては困るでしょう？｣
｢素直に欲しいって言えばいいじゃん、可愛くねーのアズール｣
｢可愛いなんて思われたくありません！｣
｢いや可愛いけどね、アズール君｣
｢は？｣
真顔はやめてよ…と言いながら、腹を括ったのか顔を上げたAさんの顔は情けないままだった。
平静を装おうとしているようだが、何時もなら言わない事を言っているのは自覚しているだろうか。
｢イデア先輩のプレゼントかぁ…そんな事されたら腹括らんとだよねぇ…うん、拗ねてるのも可愛いんだがな｣
｢貴方、まだ動揺してますね？｣
｢何言ってるの、イデア先輩が思ってたよりずっと意地悪い協力者で頭が追いついてないなんてそんな訳ないじゃん｣
｢不測の事態だった事は理解しました｣
しかしながら僕の手には恐らくプレゼントであろう袋があって、後は彼がそれを認めるだけである。
可愛い可愛くないとかの話じゃない。
｢それで？｣
｢まだやんの？性格悪｣
｢本人からお聞きしないと、僕の早とちりでしたら恥ずかしいでしょう？｣
｢あー…ウッザ｣
ナマコちゃん可哀想、と嫌そうな顔をして、フロイドは席を立ってしまう。
可哀想という癖に一人で抜ける辺り、お前も大概だと思う。
｢…あー…フロイド君に呆れられてしまった｣
｢何時もの事でしょう｣
｢アズール君も呆れられてるからね？｣
わかっている、そんな事。
そして僕も貴方もお互いを呆れている。
距離を測りかねてる。
何処までが許されるのかがわからない。
｢…いいんですよ、アイツはそれでも離れたりしませんから｣
貴方はどうかわかりませんけど。
少しだけ重い袋がやたらと存在を主張する。
自分の意識がそこに向かっているせいだけど。
テーブルに置いたプレゼントにしては簡素な紙袋。
イデアさんらしいと言えばらしいが、イベント事は意外と凝りそうだとも思う。
｢アズール君、あの｣
｢はい、｣
｢…お誕生日おめでとうございます｣
｢はい、ありがとうございます｣
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きない(プロフ) - 星猫さん» 弟さんいらっしゃるんですね^^すみません、アニメもあまり見ていないので最近のものはわからないです。 (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 34ae6966a1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 弟のｐｃは貸してくれました。知ってるアニメは何ですか？ (2021年2月25日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きない | 作成日時：2021年2月4日 9時
