番外編:俺と彼はまだ遠いので。 ページ26
｢苦手な事を頑張って作ったら喜んでくれるかなぁって思ったんですよ…俺が錬金術下手なのも知ってるから｣
｢きっとアズール･アーシェングロットさんの為に頑張ったって分かったら喜んでくれるよ！｣
オルト君が天使過ぎるんだが。
オルト君が応援してくれるから尚更頑張る。
イデア先輩を見ると、スマホとタブレット鬼タップしてた。
｢何か？｣
｢先輩からは応援コメントないんですか｣
｢がんばえー｣
｢よーしがんばるぞぉ｣
｢チョロ｣
｢兄さん！｣
全然こっちに視線向けないけど、言ってくれただけマシな気がする。
オルト君はぷりぷりしてたけど、俺はそれで十分です。
｢…さっきより銅を5g、炭素を2g減らして撹拌する時に回転を1.75倍速｣
｢え？は？1.75倍速？？｣
｢そっか！さっきまではゆっくり過ぎて固体化出来ずに水に変化しちゃってたんだね！｣
さすが兄さん！て…兄さん、早く教えてくれよ…
ずっと混ぜる速度恐る恐るやってたんですけど。
｢気づかないとか、二年間何勉強しておいでで？｣
ププーとか真顔で言わないでくれ。
ムッスリする自分の顔を理解しながら、材料を鍋にぶち込む。
｢あ、銅のインゴットをよく溶かしてからね｣
｢あっぶねぇ！！早く言ってくださいよ！！｣
ちょいちょいと平坦な声に指示されながら、七回目の錬金は進んだ。
｢何貰ったって喜ぶだろうに…必死すぎ｣
鼻で笑ったんだろうけど、全然優しい顔してましたからね。
｢…何でよ｣
｢まぁ…これがA氏の全力て事っスわ、ドンマイ｣
｢…｣
｢これもとっても綺麗だよ！大丈夫、きっと喜んでくれるよ！｣
優しさが痛い。
イデア先輩に言われた通りにやったのに。
出来上がったのは結局マラカイトだった。
｢…はぁ、そうよなぁ俺ってこういうもんよなぁ｣
｢ベッコベコに凹んでますな、心が｣
｢いや、うん…俺にしては上出来よ、形になっただけマシ｣
｢何時もどんな物を作っているの？｣
粉と液体です。
最早ヘドロとクルーウェル先生には言われました。
ちゃんと形になってるだけ凄いのよ、俺にしては。
｢…とりあえず、コーティングして割れないようにしたら？｣
｢そうですねぇ…いや、このままにしときます｣
｢いいの？｣
｢割れたら割れたですよ…それでいいのかも｣
へらっと笑うと二人は困った顔をした。
うん、ごめんね。
でもいいの、形あるもの何れ壊れるのさ…ははっ…
せっかく手伝ってくれたのに、俺本当にダメだなぁ…
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きない(プロフ) - 星猫さん» 弟さんいらっしゃるんですね^^すみません、アニメもあまり見ていないので最近のものはわからないです。 (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 34ae6966a1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 弟のｐｃは貸してくれました。知ってるアニメは何ですか？ (2021年2月25日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きない | 作成日時：2021年2月4日 9時
