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百五十七歩 ページ29

言い訳ですリドル君。
俺も入れないなー、なんてトレイ先輩も高身長マウントしないでくれます?
そんな下らない話をしてる間に校内放送がかかる。
スマホを見るとケイト先輩からめっちゃ連絡着てたやばぁ…
慌てて部屋を後にする俺と見回りが終わってない実行委員組…あ、監督生も来るんだ。

「全く、あの双子が絡むとろくな事がない」
「リドル君絡まれ過ぎ草」
「フロイドが無駄に絡んで来るんだ!」
「リドルの反応がいちいち面白すぎるんだゾ」

そうだよね、グリム様…リドル君面白…んんッ、可愛いもんね、反応。
仕方ないんだよなぁ…アズール君が最近塩対応覚えたから寂しいんだよ、うん多分。
東校舎の廊下を早足で進むと、向こうから式典服を着たケイト先輩とリリア先輩が見えた。

「あ!Aちゃんどこ行ってたのー?!」
「早う着替えないと間に合わんぞ」
「すみません、ウツボに捕まってまして…すぐ着替えます」

さっと教室に入って式典服を広げる。
これ、着るのに時間かかるんだよなぁ…やべぇな。
制服を脱ぎ捨てて式典服をとりあえず羽織っていく。
ボタン?後よ、とりあえず着るんだよ。
早着替えの如く着てみるけど、まぁぐちゃぐちゃよ。
ヴィル先輩に会ったら怒鳴られるレベルに酷い。
ベルト巻く為に下の方だけ留めたボタン、肌蹴てる胸元なんて知らん。
ローブで見えないんだからいいんだよ!と髪もフードで誤魔化して部屋を出た。

「早い、けど酷いね」
「とりあえず着ればいいかなと」
「ロックじゃな〜」

あらーって顔のケイト先輩にカラカラと笑うリリア先輩。
リドル君がみっともない、と胸元を直してくれた。
すみません、急いだもんで。

「ほら、これでいいだろう」
「有難う」
「時間が迫ってる、早く向かうんだ」
「はーい、頑張ってきまーす」
「楽しんでな」
「うむ、最高のパフォーマンスを見せるぞ」
「気分上がってもデスボだけは本当にやめてね、リリアちゃん」
「行ってらっしゃい」
「俺も歌いたいんだゾ〜」

笑顔で見送られながら会場に向かう。

「少し走らないと間に合わないかも」
「本当すみません」
「くふふ、気にするなこれも青春よ」
「そうだね!ちょっと楽しくなってきた」

絶対怒らないんだよね、この人達。
優しくて頼もしい先輩だよ。
今日で少しでも恩返し出来るかな?

「カリム達にも負けんパフォーマンスにせんとな」

不敵に笑うリリア先輩がカッコよすぎてジョブチェンジを考えた。
セベク君思い出して秒で諦めました。

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作者名:きない | 作成日時:2021年1月13日 18時

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